コスモスも青空も両方キレイに

「コスモスを撮ろう」セミナー、今年も無事に終了。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
青空を優先させるとコスモスは暗く、
コスモスを優先させると青空は真っ白に...。
さて、どうしたら良いでしょう? とのご質問。
明暗差が大きい被写体が同一の構図内に同居している場合には、「撮って出し」のワンアクションで望ましい結果を得るのは難しい場合が多いように思われる。
近年のカメラにはHDR機能を備えるものが多く、こうした機能を活用し明暗差を小さくするのも一つの手段。しかし、カメラが備えるHDRは「明暗差」を圧縮する以外に特定階調を強調するような「お遊びエフェクト」系の処理であることが多い。
「撮って出しが美徳」...的な声が拡大したのは写真がデジタル化してからではないだろうか。
フィルム時代には現像も焼き付けもすべてのプロセスを含めて作品を完成させていたわけで、それはデジタル時代においても、撮影と画像処理をトータルで考えるべきだと思う。
iPhoneのHDRをOnにしてもまだ足りない明暗差を画像処理で縮小し一枚の構図内に同居させてみる。
さて、どうしたら結果が出せるだろうか? このご質問には、画像処理を撮影とセットで考え、そのプロセスを楽しんでください。ということになろうか。
ノイズを隠すための高コントラスト

少し古めのアーカイブから、当時のコンパクトデジカメデータを引き出して画像を触ってみる。
現在(2015年10月)と大きく差を感じるのは、シャドウ部分のノイズ処理。
今ではセンサーが飛躍的に大きくなったこともあるが、普及クラスのモデルではさほどサイズに変化はないため、暗部のノイズ消去の技術が上がったということだろう。
実際、シャドウ部分のガンマカーブを触ろうとすると盛大にノイズが浮いてくる。
なるほど、シャドウ部分は階調がほぼ見えない程度にまで潰され、それはノイズ隠しのチューニングでもあったことをうかがい知ることができる。
旧日比谷図書館(現:日比谷図書文化館)、2008年に改築前の姿を残すために撮影したもの。
当時は、ポケットにはまだコンデジの時代であった。
構図はカメラが決めるもの?

撮影道具としてのカメラは、メカニカルな部分においてはフィルム時代に既に完成されていた。
記録部分がデジタル化することにより、その技術の恩恵を受ける範囲は記録に関わる部分をはるかに超えさまざまな部分に及びはじめた。
構図を自動で決める、といった技術も一時注目されたようだが、その後はあまり聞こえてこない。
構図こそ撮影者が決めたい部分であるはずで、ここは何としても守りたい。
カメラを構え、ファインダーを覗き(あるいはモニターを見て)シャッターを切る。
この一連のアクションに撮影の楽しさがあるわけで、機器や設定、環境等の各種条件が等しけば、構図にのみ撮影者のキャラクターが滲み出る。
縦横のバリエーションを放棄した(スクエアに押し込まれた)人たちも、再び縦も横もある世界に戻りつつある。
全国的にも珍しいと言われるS字橋を流れるようにフレーミング。
構図を決める楽しさまで放棄せず撮影を楽しみたい。
スマホカメラでボケ味を出す方法

スマホカメラで柔らかい背景ボケ味を表現する方法?
ボケ感を出すには、いつもの3原則。
1.絞りを開ける、2.より望遠側を使う、3.被写体と背景の距離を大きく。
この3点で結果が手に入る。
で、スマホカメラには絞りも望遠もないけれど...?
ならば、3点目について考え試してみたい。
iPhoneカメラでこの程度の背景ボケは手に入る。
しかし、スマホカメラは広角レンズ固定なのでモノの形状に違和感を生じる。
ほぼ同じ大きさの花にも関わらず、手前の赤い花と奥の赤い花との大きさに極端に差が生じてしまう。(道端の草むらを撮影。植物の知識はありません。)
このような形状再現性の違和感を回避するために、レンズ焦点距離を考慮したり、絞りを使う、等の色々な組み合わせを考えて望む結果を手に入れる。
面倒なことはせず、そして考えず、
How toモノをwebで探し、ワンアクションで答えが出る方法のみが注目される時代...。
何でもHow to。どこでもHow to。
自分で考え、試し、結果を得る。
そこに写真趣味としての楽しさがあるはずなのだが。
表現にはフォーマットに縛られない自由度があって欲しい

写真は縦構図も横構図もあるから面白い。
以前から、縦横や構図に関する記事は多い。
【写真は縦も横もあるから】(2014.07)[ Link ]【「縦と横」があるから...】(2013.10)[ Link ]【構図の重要性を忘れていないだろうか】(2013.06)[ Link ]写真においては、縦も横もあるから表現の幅が広がる。
わざわざ狭いスクエアに押し込む必要などまったくない。もちろんその意外性に意味がある、といった部分やデザイン上の効果については十分理解している。自分でもDTPの分野やwebデザインでの活用時にスクエアを利用するケースはある。が、写真として見ていただく場で狭い場所に押し込む趣味はない。
映像においては、基本的にテレビ画面あるいは横長のPCモニターで見る。という前提がある。
ところが、近年のモバイル機器の普及によりその前提は崩れつつある。
結果として、縦に構えたスマホで撮影した「縦長動画」がwebに見られるようになり、報道系の放送でも視聴者映像として目にする機会が増えてきた。
だが、テレビで見る限り、まるで細い隙間からのぞき見しているかのような印象を与え、表示できる画面面積のなんと「31.6パーセント」しか使っていない計算になる。
スクープ映像の価値に影響する?かどうか判らないが、表現能力の僅か3割しか利用できない愚を避けるには、手首を90度回転させるだけである。
現時点では、テレビが横長で視聴するものである以上、最終用途と利用されるシーンを考えるなら横長で撮っておくべきかもしれない。
但し、自分はその映像をスマホ画面以外では決して見せないし、縦長再生しかして欲しくない!という意図があるなら縦長動画で良いと思う。今後さらに普及することは間違いないだろう。
表現はフォーマットに縛られない自由度があって欲しい。だから息苦しい空間に押し込む必要などまったくないのである。
ホワイトバランスにも感性を

アンバー系の電球色については、好き嫌いが大きく分かれることが多い。
「その場の雰囲気を語る」--> 電球色肯定派
「料理の色彩感が台無し」--> 電球色否定派
といった意見が多いように感じる。
カメラのAuto White Balance のまま撮影すると、電球照明下では、その色合いを残す方向で撮影されることがほとんどだろう。これは前者の意見を重視しているものと考えられる。
似たようなシーンとして「夕焼け空」を考えてみる。
夕焼け空はその赤黄色い雰囲気にこそ意味があるため、ニュートラルグレイに調整してしまうと臨場感・空気感はまったく台無しになる。
他方、
フレンチの食材やソースの色彩感、クロスの色、食器の質感...。
これらは、電球色が乗ってしまうと台無しになる。
デジタルデータ(RAW)では、White Balanceの後調整にかなりの自由度があるため、自分の意図する結果を導きやすい。
何が正しいか、何が良いか...。といった答えは撮影者のみが持っている。
チープなフィルターやエフェクトで自分自身の色彩感覚を台無しにしないことだ。
逆光でもシルエットにしないHDR--秋の太陽を感じてみる

完全逆光では、手前は「影」となり真っ黒に潰れることが多い。
特に、太陽そのものを構図内に収めた場合には。
しかし、現在ではスマホカメラにも当たり前のようにHDR機能が搭載され、その大きすぎる明暗差を可能な限り一枚の絵の中に残すことが可能になってきた。
そして今、そのスマホHDRデータを、さらに画像処理で追い込む。
こうしたプロセスによって、普通にシャッターを切っただけでは絶対に写ることが無い手前の時計の時刻まで見えるようになる。
見える必要があるかないか?という論議ではなく、撮影者は、太陽を構図に入れた完全逆光で時刻まで見えるように撮りたい、という意図があり、それを形にするにはどういったプロセスが必要なのか。
このような思考と実際のアクション・処理によって結果を得ることが大切ではないだろうか。
シルエットに仕上げ、明と暗だけの世界を語るのも当然アリだと思う。
しかし、真夏の熱波を送る太陽ではなく秋を感じはじめた時期の太陽を語りたい、と思えば、そういった表現方法もあるかもしれない。
尚、
太陽を構図に入れると、撮影方法や条件によってはシャッター幕が焼ける、センサーが焼ける、等の可能性・リスクを考慮する必要もあるので最後に添えておきたい。
光と仲良くするには画像処理まで含めて考える

印象的な絵を手に入れるためには光を感じてみたい。
明るさだけではなく、強さや柔らかさといった質感にも意識を巡らせる。
ただ、残念ながらカメラのイメージセンサーはその広大な「明暗差」全てを記録することはできない。
飛んだ、潰れた(ように見える)部分は、ある程度までは周囲から階調を予想して創り出すことができるが、初めからデータとして存在していない(記録ダイナミックレンジの範囲を超えた外側にある)ものは、手の施しようがない。
そのために、アウトプットしたい最終イメージに基づき「画像処理を前提とした」撮影を行う。
スマホのHDR機能も有効に働く。
商業印刷のみならず、映像においても録音においても、自然界の広大な明暗差、高低差、大小差を狭小な範囲にいかに豊富に残せるか、といった部分に技術的なノウハウが蓄積されてきた。
撮影時点では、可能な限り階調を残した記録を心がけ、画像処理工程においてそれをより自然な形で再現できるようにする。
こうした階調の認識をベースに置き、光を感じながら作品を撮ってみる。
最終的な姿を予想しながら操作、処理し、望む結果を導くところにこそ楽しさがある。
FM aiaiエフエムあまがさき様2015年10月アーカイブ映像

FM aiai エフエムあまがさき様、月に一度「宮本章光のビデオをポケットに」
新番組スタートしました。
新しいご縁の放送局で、新しい番組。
映像解像度についてYouTubeの例でお話しさせていただきました。
初回初日はこのような様子でした。
- エフエムあまがさきofficialCAS #208738451-
https://twitcasting.tv/fmaiai/movie/208738451次回は11月19日(木)16:40の予定です。
今後ともご贔屓のほどよろしくお願いいたします。
タッキー816みのおエフエム様2015年10月アーカイブ音源

【タッキー816みのおエフエム】様の番組「カメラとお散歩」。
先週2015年10月7日の放送について。
放送終了後、好評にてアーカイブ音源を当Blog上に掲載しています。
(掲載期間を終え公開終了しました。)
音源ご提供:タッキー816みのおエフエム様
Blog上では、スパム対策のためコメント受付を停止しています。
Blog記事は、
こちら[ Link ]です。
放送は、原則として第一水曜日の午前11時オンエア予定、サイマル放送でもお聞きいただけます(次回は11月4日の予定です)。また、昨年より番組当日の19時40分ころより再放送もあります。
そこに光があるから

夕焼け空は美しいけれど、ビルのリフレクトが印象的な時間帯もある。
撮りたいときにポケットから取り出してすぐに撮影できる。
誰でも簡単に作品を残せる時代になった。
そこに光があるなら...。
動きのある写真を撮ってみる

「動きのある写真」って何だろう?
定番としてよく語られるのは、
シャッター速度を遅くし、被写体ブレ(被写体自身が動き流れてしまう状態)を意図的に生じさせる手法。
もちろん、撮影者側を意図的にブレさせることによっても流れてしまうが、それも一つの表現として意図が伝わる絵であれば立派な作品。
こうしたシャッター速度を遅くする以外の方法としては、
「被写体の動きを感じさせる」
「被写体の動きを予想させる」
といった、見る者の想像力を膨らませるような構図に仕上げることではないだろうか。
そのためには、被写体の動きを感じ、歌であれば一緒に(心の中で)歌い、楽器であれば(心の中で)一緒に演奏する、といったイメージを持ちながら撮ってみる。
歌や演奏に合わせ次のフレーズを予想しながらタイミングを計ってほんの僅か早めにシャッターレリーズ。
このような、アタマと指を連動させるところに写真の楽しさがあるはずだ。
ちなみに、音楽系のみならずどのようなシチュエーションにおいても、シャッター音が及ぼす周囲への配慮とマナー・制限事項・遵守事項は忘れずに。
寄って撮らない理由
「寄って撮る」本当の意味(2009年11月)[ Link ]この記事では、
本来、寄って撮るという言葉には「メイン被写体以外の余計なものを減らす」という意味があり、主たる被写体が真ん中にぽつんと小さく写ることを避ける意味なのですよ。
といった投稿であった。
寄るためには、
-----撮影者自身がカメラごと寄って行く、
-----あるいは、カメラ位置はそのままでズームで望遠側に寄って行く。
この二つのアクションが考えられるが、スマートフォンカメラやコンパクトデジカメの電源が入った直後には、広角側の焦点域となっている。
広角側で被写体に寄ると何が起きるだろう?
広角側の焦点距離では手前にあるものが大きく強調されるレンズ特性がある。もうお馴染みの「鼻デカ犬風」写真になる。
これは一つの表現方法としては有効であるが、形状を正確に再現するといった部分の感覚を磨くことができない。
他方、過去から「ズームを使うな、自分で前後に動け!」という名言もある。
これは、そのレンズの焦点距離が持つ画角や被写体の前後関係による対比・強調感を体で覚えよ、といった意味がある。
特定焦点域の特性を覚えよう!の言葉であったものを、自分が動いて寄って行く。という一部分だけをトレースして「鼻デカ」写真を量産する...。
これではいつまでも「モノの形状」に対する感覚を覚えられない。
寄って撮らない理由はここにある。
但し、寄らずにズームして望遠側を使う限りブレのリスクが高まることは忘れない。
こうした色々な条件を組み合わせながら、望む結果を導くのが写真の楽しいところである。
ピント位置は自分の意思で決める

過去画とともに、過去にカルチャーでお聞きしたご質問を。
「ピント位置は、赤く光った場所以外には合わせられないですよね?」と。
1. 赤く光る(フォーカスポイント)点以外ではAFは効かない
2. 赤く光るAFポイント以外では、ピントを合わせたいと思ってもできないので諦めている
3. 赤く光るAFポイント以外の場所に合わせたい時にはどうすれば良いのか?
こうした疑問と希望が一つの質問になったことをその後の会話の中で知る。
1.は、AFの機能としては正しい。ただ、MFで調整すればどの場所へも可能。
2.は、こうした悩みをお持ちの方があるんだな、というこちら側の新たな認識。
3.結局は、AFポイント以外で合わせたいときにどうするのか?ということ。
このご質問には、センター1点などに固定しフォーカスロック、そのまま構図を決めてからシャッター全押しで解決した。
今の時代、あまりにも簡単にピントが合うので「どこにピントを持ってくるのか?」といった意識が希薄になっているのではないだろうか。
特にスマホカメラの場合には、街中やカフェ等で撮影している人たちを見ている限り、ピントの意識を持たず、画面を見てそのままシャッタータップ...の流れが当たり前になっているように見える。
狭小センサーと広角レンズである限り、そしてリサイズされスマホ画面でしか閲覧しないweb用画像である限りはそれでいいのかもしれない。
でも、ピント位置は撮影者の意図を示す明確なメッセージであるはずなのだが...。
スマホのフィルターはそろそろ卒業

スマートフォンカメラは、日進月歩、高機能・高性能化、その使われ方も多種多様化してきた。
ただ、プリセットで用意されているデータ破壊系のフィルターやエフェクトについては、もうそろそろ卒業しても良い頃ではないかと感じている。
フィルターやエフェクトは、あり得ない色調やコントラスト、意図的にカラーバランスを崩した加工を施し、その意外性からキャッチ、トラフィックを拡大するための「マーケティング手法」が背景にある。
と認識できる人が少しづつ増えてきた。
実際、フィルター加工をしたデータは二次利用ができないレベルにまでデータが破壊されていることが多い。
ショップオーナーが、SNSで大量の「いいね!」を集めた写真だから...パンフレットに使いたい!と、デザイン事務所に持ち込むと...。
とても印刷に耐えないデータであるためオリジナルの提出を求められる。
オフセット印刷においては、激しく階調を失ったデータは「飛んだ・潰れた」に二極化し、使用に耐えるクオリティにはない。
まして、わざわざ色カブリさせたデータは、印刷工程を経て更に色転びを起こし見る者に不快感を与える。
また、スクエアに抜いたデータはその状態から更にトリミングされることになり、解像度不足。となるケースも。
結局「この画像は使えません。」とフィードバックを叩きつけられることになる。
この手のトラブル、ここ数年、両手に余るほど目にしてきた。
フィルター遊びは自由だ。
だが、正しいか?間違いか?
という観点ではなく、期待する結果を得るための色調や階調について知っておいて損はないと思う。
対比を見つける

何か難しい理論を知っておかなくては撮れない。
何か面倒な操作をしなければ撮れない。
今、こうした物理的な負担や心理的な壁は存在しなくなった。
スマホカメラがその機能を担ってくれる。
だから、撮影者は撮りたいものを撮りたいだけ撮ることができる。
でも、スマホカメラには残念ながら「カッコいいセンサー」や「美味しそうセンサー」が搭載されていない。
これを感じるのは、撮影者の心。
【対比】を画面の中に置いてみる。
それだけで、思いのほかカッコいい絵になることが多い。
タッキー816みのおエフエム様(FM放送)2015年10月番組
【タッキー816みのおエフエム】様の番組「カメラとお散歩」。
2015年10月7日の放送についてご紹介。
今回は「季節の花を美しく撮影しよう」と題してお話しさせていただきました。

番組内でお伝えしていました、
【神戸総合運動公園:コスモスを撮ろう!デジカメ教室-10月27日開催】のご案内です。
以下URLにてご確認ください。
https://www.kobe-park.or.jp/sougou/information/h27cosmos_digicame/毎回、お申し込みが多く高倍率の抽選となります。お早めにどうぞ。
お問い合わせは、神戸総合運動公園 管理センター「デジカメ教室係」までお願いいたします。
電話:078-795-5151(8:45-17:30)
今日の番組アーカイブ音源につきましては、今回は一週間程度のちに公開させていただく予定にしています。しばらくお待ちください。
尚、
番組の公式Blogで丁寧にまとめて掲載いただいています。
番組Blogでは、各回ごとに内容をまとめていただいた過去全てのアーカイブもありますので是非ご覧になってください。
放送は、原則として第一水曜日の午前11時オンエア予定、サイマル放送でもお聞きいただけます(次回は11月4日予定)。また、番組当日の19時40分ころより再放送の予定です。
Photoshop Fix 入手

本日2015.10.06公開の【Adobe Photoshop Fix】(iOS版)を入手。
以前から存在した【Adobe Photoshop Touch】に比較し軽量化され、フォトレタッチに特化した印象。
デスクトップ版PhotoshopCCでお馴染みの「スポット修復ブラシ」「コピースタンプツール」も備え、指先で簡単に作業できる点は、Snap Seed(今はGoogle傘下)の感覚にかなり近い。
前述、Photoshop Touchも同様であったが、ブラシ系の調整画面では一つだけ作法を知っておきたい。
狭いiPhone画面で、処理の「かかり具合」を詳しく見るためには画像をピンチアウト(二本指で拡大)して細部を見る。これはすでに慣れ親しんだ動作。
次に、拡大した状態で「画面を上下左右に移動」したい場合、これも「二本指で移動させる」。
この操作は、初めての場合には戸惑うかもしれない。
Adobeのモバイル系アプリはこの操作がポイントのようだ。
iOSデフォルトアプリ等は、移動の動作は一本指であることが多いが、Photoshop Fix の場合、一本指で画面を移動させると「ブラシ(効果)の適用」になる。
画面を移動させたい...と一本指で画面を流すと、その部分に赤く軌跡が表示され、該当部分に効果が適用される。
この作法さえ知っておけば戸惑うことはない。
チープなフレームやデータ破壊系のエフェクトは無く、その点でも好感が持てる。
iOS9の「低電力モード」でも問題となるようなもたつきを感じることはなかった。
デスクトップ一枚目にいきなり割り込んできたエースは付き合いが長くなりそうだ。
iOS9.0.2 ( iPhone5s )にて検証。
光を味方につける

カッコ良く撮るために、
印象的な絵を得るために。
何かとてつもなく複雑な方法がある...。
何か魔法のような手法がある...。
そんなテクニックがあるのかもしれない、と漠然と感じている人が意外と多い。
魔法はないけれど、協力者としてVIP登録しておく相手は居るかもしれない。
「光」。
光に一緒に仕事をしてもらう。
iPhone5s ビデオより静止画切り出し。3:2アスペクト比へ切り抜き。
身近な被写体を気軽に楽しむ。
テキトーに撮ってデータ破壊系エフェクト、といった流れ。
もう卒業してもいい頃。
Instagramが長方形に対応

Instagramがスクエアフォーマット以外(縦長・横長)に対応したという。
その理由は、
ユーザーの要望が多く、ユーザーの声を大切にしたいから対応した。スクエアはアイデンティティでありそれを楽しむユーザーもあるので残す。選択肢を増やしただけ。
とのことらしい。
写真趣味は、どのように楽しもうと、何をしようと自由であることに違いはない。
ただ、人に見てもらうにはそれなりの見せ方があると考えている。
バリエーションを見せる意図でのサムネイル式のスクエアアイコンが、導線を得やすいというデザイン上の理由は確かに存在する。
しかし、カメラが縦横自由に向きを変えられない機構だった時代に、商業撮影のために、あとから縦でも横でも自由に利用できるようスクエアフォーマットが必要とされた歴史も知っておくべきだ。
ユーザーの要望が多かった...?
その言葉を待つまでもなく答えは出ていたように思う。
写真は縦も横もあるから楽しい。
写真は縦も横もあるから表現の幅が広がる。
露出を調整する楽しみ

日常、被写体となる撮影対象は(自ら光を放っているものを除き)外光によって照らされ、被写体がその光を反射することによりカメラの露出値が認識・決定される。
既にご存じのことばかりだと思うが、
白いものは反射率が高く、黒いものは反射率が低い。
同じように、赤色系の被写体は低く、黄色系の被写体は高い。
近年のカメラは、こうした色の情報を加味し露出を決める非常に優秀なシステムになった。
だが、やはり反射率の低い被写体は明るめに、高い被写体は暗めに写る傾向は残されている。
メーカーによると、それは撮影者が道具として扱う感覚を優先するため一部意図的に残している、ということらしい。
「色による露出値の差」を、一切、撮影者に配慮することなく補正し、撮影者の意図が介在する余地を残さない(調整できないという意味ではない)といった方向性は、既にスマホカメラで実装されている。
これが「撮影者が何も考えず(露出について考えなく)」とも、どのような条件でもキレイに撮れる、という結果に結び付く。
写真趣味はこのような露出だとか、絞りだとか...、を自分で調整し、意図した結果を導くことが楽しみの一つであったのだが...。
FM新番組スタート

神無月に入りました。
今月からFM放送番組での新しいコーナーでお話しをさせていただきます。
【FM aiai 82.0MHz】エフエムあまがさき 様
【第3木曜日・16時40分頃より約15分間程度】
「宮本章光のビデオをポケットに」コーナー
月曜日から木曜日の16時15分より「昭和通二丁目ラジオ」の帯がありますが、その中で第3木曜日のみ16時40分頃から出演させていただきます。
同コーナーパソナリティは、千波留様。
現在、
【タッキー816 みのおエフエム】様
「カメラとお散歩」コーナーにて、毎月第1水曜日の11時より色々とお話しさせていただいています。
こちらでは、写真・カメラについての話題を中心としていますが、FM aiai(エフエムあまがさき)様では、ビデオをメインにお伝えできれば、と考えています。
タッキー816様では、サイマル放送、再放送、
FM aiai様では、サイマル放送、ツイキャスアーカイブ、 と、
各媒体で展開されます。
両番組ともにご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。
ノイズ過敏

ノイズが...、
ノイズが...、
と、過剰に反応する人が増えた。
もちろん、ノイズは少ないに越したことはない。
それに、業務案件であれば盛大なノイズの乗ったデータを納品するのは躊躇う。
当然、被写体が動かない条件、且つ撮影側に三脚等の安定した環境があるなら、低いISOでノイズを減らす努力は必要である。
実際には、最終用途がピクセル(dot by dot)等倍鑑賞や全紙プリントでない限りノイズは目立ちにくくなるため、高ISO感度でもさほど問題にならないレベルに収まることが多い。
そして、最も重要視されるべきは、ISOを下げノイズが減少することと引き換えに、ブレのリスクが高まることである。
ノイズアレルギーの人は、ブレ不感症を併発していることが多い。
無条件に「ノイズが増えるからISOを下げろ」といった単一思考しかできないのは、自ら撮影自由度を奪うだけだ。