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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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人との接点こそ宝物

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先日ある方とお会いする機会があった。
そして、この画像はその日の夜に届いたメール。

この方は、私の撮影写真を大変気に入っていただいた上、作品としてご購入いただくことになった。
もう7,8年前に撮影したカットで、当時はこんな日が来るであろうことを想像すらしていなかったのだが、半切にまで伸ばしたその写真は、額縁の中で生き続けてくれることだろう。

当時の撮影はまだポジであった。
LBフィルターで色を作り、シャッター速度を稼ぐためにISO400のポジで撮影したそのカットは、いかにも高感度!といわんばかりの粒子が見える。
デジタルへ完全移行すると共にこの粒状感(高感度カラーノイズとはまた異なる)を感じることが無くなった今、出来上がった紙焼きを眺めて、改めて時の流れを感じた。

そのプリント。
私は、直接お会いして手渡しすることにこだわった。
一通のメールからのご縁。
ご多忙のところ調整をつけていただき、約2時間強に渡り有意義な時間を過ごすことができた。

会話の中で拝見した、この方の撮影作品は、ご自身の感性で自由に撮影されており大変素晴らしいものだった。

とかく機材フェチになりがちで、理屈や理論ばかりが先行するような趣味の写真撮影。そして皆が評論家になってしまう写真趣味...。

そんな世界とは無縁の感性に感動した。
私は、自分が追求しようとしている感覚と同じ波長をその作品に見たように感じた。

そして、私から連絡させていただく前に、非常に丁寧なメールによるご挨拶。
こうした方とは、長くお付き合いさせていただきたい。

人との接点こそ宝物。と感じる瞬間である。

事業と屏風は広げすぎると倒れる

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湯木俊治 氏(東京吉兆)の言葉だそうだ。
マスコミを賑わせた「船場」ではなく「東京」の店だ。
同族グループでも、これだけスタンスが違うもの。

今日のカットは、開幕戦開始前のフィールドでの一枚。

単焦点(「短」焦点ではない。文字変換した後に確認するのを怠るとこうなる。いただくメールで最も多い変換違いは「連射」。正しくは「連写」だと思うが...)では、ここまでボケを表現できる。
EF135mm F2L レンズを、これでもf4まで絞っている。

よく、ズームと単焦点のメリット・デメリットが論じられるが、どちらも優れているところがあるのだから、それぞれの優れている点だけを利用すればよい。

ズームでボケが綺麗に出ない、とか解像感が甘い、とか...。
その替わり、任意に画角が変えられるのだからこんな便利なものはない。

ただ、ズーム倍率(広角から望遠までの範囲)を広げすぎると画質は極端に低下する。
メーカー純正レンズではなく、サードパーティ製の製品にラインナップされていることがある「超高倍率」ズーム。
それと、コンパクトタイプや民生ビデオカメラにもある「電子」ズーム。

いずれも、利便性(一本、一台でワイドもテレも自在に変更できる)は高いが、引き換えに画質と明るさ(開放f値)は低下する。
特に、電子ズームに至っては、本来の画角から一部分だけを切り抜いて拡大しているのだから画質云々以前の問題になってくる。

当然、その利便性を第一にするのならば問題はない。画質は二の次という判断をその時点で下している訳だから。
要は目的と手段のバランスだと思うのだが、良いところは忘れて悪いところだけを見て不満を言うのは本末転倒ではないか。

多くの場合、一本で全部こなせるから。と高倍率ズームを使って、画質が悪いとか背景が煩いとか感じることになる。
で、「どうしたらいいですか?教えてください...」となる。

目的と、手段としての道具が間違っている、ということだ。
ズームの倍率は「広げすぎない」ものを選ぶと希望に近づくかもしれない。
あるいは、明るい単焦点を手に入れるか。


何事も広げすぎないこと...。
事業範囲も広げすぎず身の丈に合ったものを心がけよ、という教訓。
ズームレンズから学ぶこと。
こんなところに焦点が合った。

他にご存知ですか?

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先般の建物内撮影で活躍した「TS-E 24mm F3.5L」「TS-E 90mm F2.8」である。

Canonでは、シフト・ティルト機能をもったレンズをTS-Eシリーズとしてラインナップしているが、旧来の中判機材による撮影以外にその裾野を広げてくれているのは大変有難い。

今回は、撮影だけではなくその撮影写真を利用した印刷物作成までが必要とされる案件を発注いただいた。

1日目:電話を受け数時間後に打ち合わせ訪問。
2日目:現地にてこのTS-Eレンズ使用により撮影。
3日目:夜が明ける前に画像処理を終え、その素材を使用した印刷物デザイン制作まで完了
4日目:校正戻り、修正後、色の確認まで終え校了。そして印刷出稿。

というスケジュールであった。
好意にしているカメラマンや融通の利く印刷会社を取引先に持っていても、これだけのことをこのスケジュールで可能にするところは他に無い、と断言しても良いと思う。
私は自分自身にとってはデメリットも多いが、自らの手で全てを行っているからこれだけのことが可能になる。

当然、コストがかかる。
私は安売りはしない。

実際、当初は他社より高いために受注にならなかった。
が、私のスタンスに共感いただけたことでお仕事になったのだと考えている。
2日目も3日目も、他の案件も並行処理しているので現実には徹夜仕事になったが...。

世の中、安売り攻勢でしかアピールしない企業が多い。
しかし、その世界とは異なる価値を評価する人たちが増えてきたのも事実。
私はそうした方々と更に事業を拡大してゆきたいと考えている。

学ぶ姿勢が素晴らしい

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デジタル一眼レフカメラの写真撮影教室を開講した。
コンパクトタイプのカメラによる初心者向け講座も並行して行う。

初めは講義形式でスタートしているが、やはり実際に撮影を行わなければ身に付かない。
構図を固定しておき、設定を変えることで「何が」「どう変わる」のか?を実際に体験している。

このカット。
これは私の撮影であるが、何かを学びとろうとする真剣な眼差しを切り取った。

イメージしてから以下の事項を考えアクションを行っている。

1.教室内の明るさを勘案し、ISO感度を500に設定(開講時、事前にセット済)
2.自分の足で大胆に寄って切り抜くイメージを決める
2.f値は4、絞り優先モード(事前にセット済)
3.カメラボディは黒いが表情を暗くしたくないので露出補正をプラス2/3、シャッター1/20(ブレ注意)
4.AFポイントは中央固定。フォーカスロックし(親指AFなので離す)僅かであるがフレーミング変更
5.撮影。まばたき(目つぶり)リスクを避けるため、呼吸をはかりながら3枚撮影

というアクション。
その間、数秒。 恐らく一瞬の出来事だったはず。

真剣な眼差し...。
何かを学び取ろうとする姿は素晴らしい。

その、意気込みをこの一枚で記録した。
ご本人もこのサイトをご覧になっているはずなので、このプロセスが参考になればと思う。

今からでも教室参加が可能なので、色々な方と新たなご縁ができれば大変嬉しい。
何より「学ぶ」という姿勢は素晴らしい。

スイッチングのセンスに疑問

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某国営放送、日曜日のある番組。
年度替りでレギュラーとは異なる内容での番組が流された。

それは問題ではないのだが、放送全編を通してスイッチングのセンスが一般的な感覚と大きく異なり、かなり後味が悪い思いをした。
この感覚は、私だけではなかったはず...。
音楽演奏会収録の経験が少ない(もしくはスキルが低い)と思わせるスイッチング...。

強烈であったのは、指揮者正面足元のリモートカメラ。
弦は対向配置だったので、時折チェロの弓がカメラに被る。
その弓が、あるときは指揮者を突き刺すように、そして首を切るように横切るのである。

大抵の場合、直ぐに別アングルのカメラに切り替えるはずなのだが、串刺し・首切り状態がずっと続く...。
また、必要なときに必要な画面展開(ソロ楽器アップ等)に切り替わらなかったり、コーダ以降の「寄り」「寄り」「寄り」の連続も食傷気味であった。

このセンスで収録したものを放送し、クレームは無いのだろうか?
今年度も国会で予算確定した、とのことだが大丈夫?

「人の振り見て我が振り直せ」という教訓だと感じた。


今日の一枚は、先日の収録ホール。まもなく本番を迎える。
ここには幾度となく訪れるが、いつも落ち着く。
有難いことである。

現場では、リスキーな収録は避けなくてはならない。
まずは心の平穏から。
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