楽器を記録する

「楽器を記録する」とは、どういう意味?
楽器は演奏されて初めて音楽を奏でる。
演奏される「音」を記録し、聴覚で認識するものが「音の記録」や「演奏の記録」なら、「その形や演奏状況」を記録した視覚で認識するものは何と呼べばよいのだろう?
「写真」でしょ?
という声が聞こえてきそうだ。
しかし、それは記録された媒体やその表現手段としての言い方であって、「楽器の記録」という呼び方が適切なのかもしれない。
私たちは、あまりにも普遍的な視覚から認識する記録物を「写真」と呼び、大雑把に広げすぎてはいないだろうか。
それが良いか悪いかという論議ではない。
記録されたアウトプットを主体にして認識するのではなく、インプット対象であるその被写体を主体として感じてみたい、ということなのである。
だから「楽器の記録」。
そう思いながら見てみると、楽器を撮影した写真というものにはあまりお目にかからない。
演奏中のものになると更に少ない。
そんな貴重な撮影には、希少な楽器を撮りたい。
そのチャンスをいただいた。
ハルモニアム(ハーモニウム)というこの楽器をご存知だろうか。
舞台脇に構え、そして奏者の脇下から見える楽器を超望遠で狙った。
こんなカットがあってもよい。と思う。
少なくとも、奏者とこのコンサートの主催者にとっては貴重な一枚になった。
「記録する 形に残す」のは、音だけでも、映像だけでも、写真だけでもない。
全てが揃ってこそ意味があり、そして私が更にプラスするのは価値と感動である。
2007/12/07(Fri) 17:12:59 | photo blog