伝えるための画像処理

撮影は画像処理とセットで考える時代。
そう言い続けて10年を越えた。
過去に生録(自然音などが特に顕著)の世界でも、とにかく触らないことが最高、といった主張は強かった。音の世界では、収録機器の特性によってそもそも特性自体がフラットにならないことが多く、またフラットな特性を実現しても、人間が受け取る感覚と機器の特性とは乖離している部分が多い。
放送される映像に関しても、狭いダイナミックレンジの中に豊富な階調を再現できるよう技術革新が重ねられてきた。HDRの最前線は広大な明暗差を表現すべく進化し続けている。
静止画像データにも似たところがあり、データ上でどれだけニュートラルにチューニングしてみても、人間が感じる記憶色や希望色といった特性とは大きく異なっていることが多い。
だからこそ、撮ったままのデータではなく「自分が伝えたい絵に自分の意思」で仕上げる。
といった考え方に基づいたプロセスが必要になる。
フィルター遊びではなく、それは「伝えるための画像処理」なのだが...。
2016/08/07(Sun) 11:24:44 | Img Processing