一緒に撮影してみませんか?

デジタル一眼レフカメラ撮影教室での先日の撮影より一枚。
教室内にあるもの全てを対象として、今までに学んだことを反映させながら撮影してみましょう。という課題である。
私は、黒板の上に掲げられている時計を一つの対象として撮影した。
自分がこれまでに講義を行ってきた内容を反映するには、格好の対象である。
1.壁も白、時計も白-----露出補正の復習(白を白く撮るにはどうすれば良かったか)
2.色をできるだけ自然に-----ホワイトバランスの復習(主題となる被写体の設定)
この2点を反映させることができるからである。
実際には、もう少し寄りで切り取っても良いが、50mm/f1.4の単焦点だったので、その画角のままで撮影している。
フレーミングについては再考の余地あり...という例に。
と、一応言い訳だけは、あとから出てくる。
また、天井部分は周囲の反射光で色カブリがあるが、直接光(時計の下部)の部分は概ね良しとする色目ではなかろうか。
このあたりの事後補正は、レタッチソフトで更に追い込める。
「撮影と、後の補正」は、やはりセットで処理するのが必要かと感じる。
しかし、世の中の流れは、後の補正ばかりが注目されているようだ。とかくレタッチテクニックばかりを誇るような...。そして、その種の書籍が氾濫している。
デジタル処理でレタッチを行うことは、非常に有用でそれを否定しないし、私自身も印刷原稿を考える場合には後処理抜きには考えられない。
が、撮影を「テキトー」にして、後処理だけで作品を作ろうとする風潮はどうなの?
ということである。
今、教室に参加なさっている生徒さん。
僅か数回の講義とこうした撮影を繰り返すだけで、大きく進歩を遂げている。
デジタル一眼を入手したら、誰でも簡単に「キレイな写真」や「訴える写真」が撮れる。
と勘違いしてしまう。
実際、解像度やレンズの性能を発揮させれば「凄い写真」が撮れるのは事実だが、そのためには、やはり基本を知り操作にフィードバックしなくてはならない。
そのための大きな要素が、ホワイトバランスと露出補正である。
そして、その前に、自分の撮りたいイメージと光の状況を知ることが必要である。
よく聞く言葉。
「デジタル一眼レフを買ったのに全然スゴイ写真が撮れない」
「携帯カメラよりちょっとマシになったかな?くらいしか差がわからない」
この時計のカットも、全てオートで撮ったら、全体に黄色っぽく壁も時計も灰色になるか、
あるいは内蔵ストロボが自動発光して、ノッペリとした青味がかった写真しか撮れないのではなかろうか。
この時計。一緒に撮影してみませんか?
2008/05/20(Tue) 11:58:24 | others