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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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帳端(ちょうは)という言葉をご存じですか

卒業後、現在の業務を開業するより前には商社やメーカー等に在籍していたため、多くの取引先との間でお金のやりとりを経験することができた。
特に商社時代には、卸商(二次卸商店)を得意先とする部署に長く所属していたこともあり、この「帳端(ちょうは)」という言葉とは切っても切れない関係にあった。


帳端とは、文字通り「帳面の端」のことで、月次の商取引の「端=多くの場合月末」に来ると、翌月請求にすべきか、当月にすべきか。について取引先と必ず交渉する必要が出てくる。

簡単な例えを書いてみる。
本日7月24日。あと一週間で7月が終わる。
「販売側の立場」では、今月7月の売り上げを少しでも積み上げたい。
「購入側の立場」では、今月に購入しても(更に客先へは)一週間では売り捌けない。
といった判断があるため、
「販売側」は、7月売り上げを立てたいが、「購入側」は8月の仕入れにしたい。
といった利害関係が出てくる。
まさに「帳端」の扱いで双方の腕の見せ所となるのである。

購入側では、必要のないものは支払いを伸ばす(先送り)することにより、キャッシュフローをプラスに保てるメリットが出てくるため、こうした帳端の感覚は必要なものであった。

(当然商売なので、こんな単純な話では終わらず、7月購入する代わりに単価ダウンの要望があったり...など、力関係や別条件の提示などさまざまな交渉があり、実務経験を積んでゆくことができたのは今となっては宝物だと思う。)


で、令和の今。
先般騒がれた金融庁の年金問題以降、投資や資産運用それに保険絡みなど、非常に盛んなセールストークとともに、一億総マネ活...とでもいうような雰囲気になっているが、そんな方との会話の中で「帳端」の言葉はご存知?と聞いてみると、回答はほぼNo。
では、支払いを先延ばしするような施策は行なっています?とお聞きしてみても、ほぼNo。

ここに大きなギャップを感じるのは、私だけではないはずだと思う。
足元を固める金銭感覚なくして、投資や運用ばかりに目が行くのは...ま、それも時代の流れだろうし必要なことではあるのだが。

ちなみに、個人レベルでも「帳端」を意識するならば...。
クレジットカードによる物品購入の例を考えてみる。
契約カードの支払い条件が「1日〜月末(31日)締めの翌月26日引き落とし」だと仮定すると。
まさに、今日のような24日に購入するのをあと一週間控えて8月1日にすれば、支払い日は8月26日からいきなり9月26日で良い。ということになる。

この程度のことは誰でも意識してるさ。と仰るかもしれない。
また、月次に決まった金額が振り込まれる給与所得者の立場ならば、支払いを先送りするメリットはあまり感じないかもしれない。
だが、これを事業資金で考えるなら、その間のキャッシュフローをプラスで保てるメリットはいくらでも出てくる。
製造業であるなら、原材料の仕入れと製品完成・販売までのタイムラグも長くなるため、支払いを延ばすことは立派なマネ活の一つとも言える。

まして、借り入れ資金であるならば(多くはそうだと思う)支払い金利を極力下げるために必要な感覚だと思う。

更に「1日〜月末」契約のものと「16日〜翌15日」契約のものとを使い分ける。といったような形があるし、企業活動であるなら支払いサイトに合わせて金融機関を使い分ける。というスキルも必要になるだろう。

この時代。自衛のために、一億総マネ活は必要な感覚だと思う。
そして、いかにお金に働いてもらうかに意識を巡らせるのもこれからの時代は必須だと思う。

でもその前に、やはりこうした「足元をしっかり固める」感覚は、どのようなフィールド・どのようなフェーズにおいても必要ではないだろうか。と感じるのである。

【pringコミュニケーション進行中】
pring ID=amco99
2019/07/24(Wed) 11:50:06 | Money / Cashless

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