夜景を制するカメラたち
その昔フィルム時代には、夜景の写真撮影は三脚がなくては無理。といわれた。
ISO感度(ASA感度と呼んでいた時期)は、ネガでは100がスタンダード。KodachromeなどのポジフィルムはASA64だとか25ではなかったか。
このように低感度感剤と手持ち環境ではブレを防ぐことができない。という理由で、夜景の撮影自体が身近なものとは感じられなかった。
他方、
発色の面でも、デイライトタイプは光源によっては色カブリが起き、正確な色を再現するにはハードルが高かったという側面もある。
このように正しく色表現ができなかった時代の発色を真似て、現代にスマホフィルターが流行った(もう過去形で良いだろう)のは、ある意味で大いに皮肉ではある。
Istagramは過去に敬意を表してなどと語っていたが、Facebook傘下に取り込まれてからは、トラフィックばかりが意識され、写真の歴史など振り返る者は消え去った。
そして、令和の現在。
ここ一年ほど、AIパワーとHDRの技術進歩により、階調表現が得意なスマホカメラがトレンドになりつつある。
ハイライトを飛ばさず、シャドウを潰さず。
その、さじ加減がスマホカメラのキャラクターになる時代。
夜景?まずしっかりした三脚でしょ。
と語ってから約40年。歩きながら片手のスマホでこの絵が出てくる。
夜景を制するものが写真を制する時代になった。
2019/07/08(Mon) 12:24:10 | Smartphone Camera