アンド・エム宮本陽/宮本章光ブログヘッダーイメージ

宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

Online Photo/Camera Class

Content

「色カブリ」って言葉ご存知ですね?

AKIRA MIYAMOTO'sPhoto

「色カブリ」って言葉、ご存知ですね?
サングラスを通して見たように、特定の色が被っている状態。

意図的に奇抜な色に加工するのがハヤリなのだが、見る人に対してある種のインパクトを与えるのは確かだ。
その昔、カメラがデジタル化する過程でセピア色モードというのが流行った。「おっ”!」と思わせるパッと見の意外性を備えているのは間違いなく、それが悪いということではない。と初めにお断りしておく。

この画像はもともと、各種蛍光灯が混ざった難しい光源の下、色カブリが僅少となるようiPhoneカメラがさまざまな演算を行って適切なホワイトバランスでデータを作り出したキレイな色の写真。
そのデータを、後から色カブリを何重にも行い「安物のレンズの証」であるビネット(周辺減光)まで加えている。
更には、優秀なHDRで暗部を再現してくれているにも関わらず、その部分の階調を殺し、潰してコントラストを高めている。

見た目のインパクト・意外性で人目を引く、のは一つの手段だろう。
そして、この絵もいいじゃないか、という意見もあるだろう。
だが、そうした方法に頼らなくとも他にアピールする方法はいくらでもあるように思う。
わざわざ安物のレンズを使ったような絵や、階調が出ない性能の悪いセンサーしか備えていないいい加減なカメラで撮ったかのような絵にするのは、自分にとってはあり得ない世界だ。

何より、日々こうした色カブリばかりの写真に接し目が麻痺してしまうと、平常時にも色の感覚が狂ってしまうリスクはないのだろうか?
フィルターで遊んでいない時でも色の感覚がおかしいのではないか?と疑われる人たちが増えてきた。画像処理のクラスでも元画像がどのように色がおかしいのか?判らないと仰る人が増えている。

海外も含め名の通った写真家がこうした意図的なフィルター処理を行った作品を公開しているが、当然、色カブリの無い画像を扱えるスキルをベースに持った上で、一つの表現手段として採用しているはずだ。
「変化球とは直球ストレートを3球決められるウデを持つものだけが語る」ものだと思う。

手間をかけずに効果を楽しめる現状は大いに評価されるべきだが、自分の色に対する感性を麻痺させてしまったあとから、画像処理の小手先のテクニックを教えて。というのはいかにも薄っぺらい。
2014/02/10(Mon) 14:25:32 | Img Processing

New Entries

Archives / Serch

1st.popular category

人気カテゴリーNo.1

【New Age】

>New Age

 

Categories