マグロの「におい」を撮ってみる

においなんて撮れる訳がない...。
そう言ってしまうと話が進まないので、少しだけアタマを柔らかくして欲しい。
あるホテルで開催された、本マグロ解体の一コマ。
マグロの写真というと、大トロ・赤みのブロックや切り身など「料理」としてのイメージ写真を連想するケースが多いかもしれない。
他方、このように無骨で大胆なイメージは、「食材」的なイメージや「魚」としてのマグロの姿が目に入るので、整った「料理」ではない感覚を受ける。
右側から照らすスポットライトは相当温度が高く熱い。
だから料理人は、鮮度を落とさないように極めて手際よくさばいて行く。
同時に、解体時に飛び散る肉片や水滴も大胆さを感じる要素となるし、鋭利な包丁が皮を切るガリっとした音も臨場感を与える。
そのような要素全てを一枚の写真に織り込む。
-----左奥は屋外の太陽光、右は白熱スポット光。
-----上部は少し怖いくらいの赤みと白衣、下部は大胆な顔とシャドウの黒。
という対比が良い結果を生み、左手軍手の黄色い部分と左奥の看板の青い文字の一部分がアクセントとなった。
より一層臨場感溢れる要素を取り込むことで、マグロの「におい」まで感じられるようになるはずだ。
2009/09/17(Thu) 12:33:49 | photo blog