作品の向うに見えるもの

立春。
旧暦は現在の新暦より一月ほど早い。山の頂はまだ雪景色である。
先日、十数年ぶりにある人物と会話する機会を持った。
彼は学生時代の2年間、音楽を通して苦楽を共にした仲間である。
既に卒業後に経過した期間のほうが出会った時の年齢よりも多くなってしまった。
現在、外資系企業の重鎮として活躍されている。
その彼。昨年、病魔に苛まれ末期宣告に近い境遇に立たされることになった。
そのとんでもない状況に置かれながらも、私のこのサイトにある写真を眺めては色々な思いをめぐらしていたという。
「写真の向こう側に宮本さんの姿が見えるんです!」
そう感じたということである。
ここに掲載している写真の多くは、自然体で撮影している。
サイトに載せるために撮ってやろう...。と考えたものではない。
しかし何も感じない時には撮影をしていない訳だから、何らかのインスピレーションによってその絵を切り取っている。
そのような感覚的で言葉にならないもの...。
「伝わる」とはこういうことなんだな。
今日の一枚。名工の手による人形。
人形の向こう側にある魂を見たような気がした。
2008/02/05(Tue) 15:37:17 | photo blog