その声が聞こえますか?

仕事を離れても、その仕事と同じ事柄に取り組みたいと思うか?
単純明快。これ、好きなことを仕事にする第一条件。
と「写真を仕事にしたい...」という学生さんには返信している。
でも、そう思わない撮影対象も出てくるもの。
写真は、その被写体に本当に惚れ込まないと撮れないものではないかと思う。
その被写体に感謝し、そして好きにならないとダメ。
シーズン入り。
仕事を離れても「撮りたい!」と感じるかどうか?
そう思ってファインダーを覗いていると、レンズの向こうから語りかけてくる。
そして、まるでビデオでその中心に寄って行くように引き込まれて行く。
あなたには聞こえますか?
被写体からの声が...。
TVクルーと共に-香港からの来客

10月13日、日没と共にそのステージは彩られた。
これは、山頂へのロープウエイを貸し切り、そのゴンドラ内で結婚式を挙げる。
そして感動的な夕景と共に最高の思い出を作ってもらう...。
というイベントでの一枚である。
作られたドラマではない。本物のカップルであり、しかもそのお二人は日本人ではなく香港からのお客様。
ローカルTV局の取材も入り、一気に感情が高まる。
ビデオ用照明が入ったため、事前に描いた夜景重視の絵とは全く異なるものになったが、その場の判断でこのスポットライトを生かす絵作りに変更した。
ピンスポ半逆光のシルエットは「絵」になる。
内蔵露出計は全くアテにならず、単体露出計で測るヒマなど全くない訳で、全てのカットを「勘」だけを頼りに撮影する。
しかも今日はjpeg一発撮りのその場渡し。場の雰囲気につられてこちらの緊張も急上昇。
私はこのスチル撮影を仕事として行っているが、TV局照明アシスタントの方にVTR以外の場でも投光してもらうことで、こうしたカットを得ることができた。
ビデオプロダクションより、TV局クルーの人たちの方がスチルに対しての理解を持ち親近感を持って接することができるように思う。
報道現場でのスチルの重要性を認識している結果ではないかと想像する。
設備・機材の大きさや投資額ではなく、クライアントにどれだけの感動を伝えられるか?
それは映像も写真も関係がない。
尤も、零細個人事業者にはHDW-790(左奥に見えている機材)を自前で設備する資金は捻出できないのも事実ではある。
撮影現場では「そこのけ、そこのけビデオカメラが通る」という態度の「若いカメラクルー」が増えているように感じる...。
私はビデオも回すんですよ。と伝えた瞬間に態度が急変するケースもある。
どのような仕事でも、それなりの年齢を重ねなくてはならないのかも知れない。
主役のお二人には日本語が通じなかったが、こうした感慨深い思い出作りをする人たちが居る。
その記録に携ることができる、そして自分の感性をそのステージで表現することができる...
この自分自身の立場にあらためて感謝しなくてはならない。
標高690mの山頂は、既に寒風に包まれ冬の訪れが近いと感じた。
音楽を写真で切り取る

長かった暑い夏もようやく終わろうとしている。
芸術の秋。
音楽家が創り出す「演奏」という作品を
レンズを通し、私の「写真」として切り取ってみた。
data: f4, 1/6, +0.3EV ISO400
オート露出の裏を読む

終日の商品撮影を終え、現地を離れる車中より一枚。
(ちなみに私は助手席乗車)
ここは走行時間僅か数秒間の「橋の上」。
あまりにも印象的な夕日に、すかさず膝上の機材バッグよりコンデジを取り出し撮影した。
撮影モードは通常設定のオート。
であるが、唯一、マイナスの露出補正をかけた。
イマどきのカメラは、逆光ギラギラの太陽を撮っても真っ黒なアンダーにはならない。
極端に明るいものがあると、賢くプロミングされた逆光モードになるのだろう。
だから、アンダーではなくそれなりの露出で「撮れてしまう」。
ここはオート露出の裏を読んでみるのが写真を生業にしている者の撮影か?
とマイナス補正。
が、シャッター速度はオート、それに高速走行中の車窓からではブレてしまった。
橋の欄干も、横車線を走るトラックも写らなかったのは幸いであるが。
こんなワンポイントの撮影教室を近々に開催(大阪市内)予定。
詳細はこれから...。
Nさん、Kさん、終日の撮影お疲れさま!
本日の発注クライアントS社様に感謝。
たまにはこんな記載の日があってもいい。
夢に向かって走る人

アクターズスクールでの一枚。
身のこなし一つひとつが、TVカメラの向うに伝わる。
指先の仕草から髪の毛がなびく様まで...。
厳しい練習・訓練は、自らの夢に向かって走り続ける人だけに結果を約束する。
このような場に居合わせることが出来ること。
そしてレンズを通して記録できる立場にあることを光栄に思う。