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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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間違った「ボケの認識」

単焦点はボケを意図的に表現するためのもの

せっかく単焦点レンズを入手しても、その使い方を間違っている方が多い。
-----「お花を撮っても花びらの向こう側がボケるんです」
-----「全体にボヤっとしてしまってハッキリしないんですが」

こうした声が出る時点で、使い方を誤っているということだ。
一件めの話では、絞りを開け、花びらに近寄るほどにその差が大きくなる。絞り込んで行くほどにボケ量は減るが、しかし皆無にはならない。
そもそも「そうした表現意図のため」に単焦点レンズを使うのである。

二件めの話では、大口径単焦点を開放で使うとそのような絵になることが多い。
よく聞くと、暗い場所でも開放ならシャッター速度が稼げるから手持ちで写せる...ということで単焦点を使っている。これは本来の使用目的が間違っている。
絞りは、シャッターを稼ぐためにドンドン開けて行く訳ではなく、前後方向でのフォーカス範囲(被写界深度)をコントロールすることが本来の役目だ。

いずれも、本来の「単焦点レンズを使う意図」とは異なった目的に利用しているための結果である。
そして「単焦点はボケる」--->「ボケる写真は良くない」--->「だから単焦点はダメ」という潜在意識を刻み込むことになる。
ボケているのが悪とされるのは、ピントが甘いボケ(=失敗)か、あるいは手ブレ(=失敗)による現象であって、意図的なボケによる表現は対比を語る上で不可欠である。

完全に間違った「ボケの認識」を持つことは避けたい。
だいたい、ボケをキレイに出すために大枚をはたいて単焦点レンズを手に入れるわけで、ボケる絵が嫌ならケイタイカメラで撮れば向こう側もほとんどボケない。
また、手持ちで撮りたいなら、ISO感度をドンドン上げれば良い。
「でも感度を上げるとザラつくから嫌なんですが...」という声が聞こえてくる。
じゃあ、三脚固定でしょ? ってことだ。

まさしく、カメラに対し「道具」ではなく「家電製品」的な答えを求めているように感じてならない。
2009/07/06(Mon) 17:47:16 | lens

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