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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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スマホカメラで必要な撮影スキルとは

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ヴェネツィアカーニバルに行かれた方のお宅にて撮影。
さすがは歴史を誇るお国柄、という感じだろうか。

残念ながら歴史やアートについて語る能力はないので、ここでは写真とカメラについて考察を。
この撮影はiPhone5 カメラとCamera+(Camera Plus のアプリではなく「足す」の記号が付いているほうのアプリ)にて行っている。

「スマホカメラでこんなに撮れるぞ!」という理論展開をするつもりはないし、当然ネガティブな評価となる部分も多い。
ダイナミックレンジが狭いため空気感を語るようなことは苦手であるし、レンズ焦点距離が33mm前後であることなどから形状を正確に撮ることは難しい。同時に、狭小センサーからは派手なボケを生み出すことは困難である。

だが、この掲載サイズ(400×600pixels)程度で、上記のようなネガティブ要素を問題にしない条件であるならば、大きな一眼レフを持ち出さなくても満足の行く絵が手に入るようになったのは確かだ。
課題は、手ブレ対策。
片手で支持しもう一方の手の指で画面をタップする、という動作はかなりブレを誘発する。
試しに、一眼レフ用の強固な三脚に据えて撮ってみると良い。どれだけブレが影響を及ぼしていたかが判るはず。

どうすれば少しでも手ブレが軽減できるかを考えることがスマホカメラ撮影時に必要なスキルの一つかもしれない。

少し大きめの写真や他のバリエーションなどはTumblrにて公開しています。
https://amcoandem.tumblr.com
こちらでも是非ご覧ください。

大きく色が異なる光の条件では

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本日(2013.2.18)のソリオステップアップクラスより。
店内の電球色と雨天の屋外光という、大きく色温度の異なるミックス光源環境において、大きく色転びが起きないような調整を行うというテーマ。
元々異なる色が混ざっている条件では、どちらかに転ぶことが多いと思われる。
基準となる定規を一つ持っていれば、後調整の負担も軽減されるのではないだろうか。

どうして一味ちがうのか

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写真には撮影者の思いが内包されている。
撮影時に感じたものが、作品を見る人にも伝わる。

「どうも後から見ると違う」と仰る方も、確かにその瞬間の思いを込めて撮影しているはず。
なのに何故伝わりにくいのだろうか?

この答えは、カメラには「思いを感知するセンサー」は備わっていないし、作品となった写真には「思いを伝えるパウダー」は付属していないから。
思いを伝えるには、見る側の人がそれを感じることができるような形や表現にしておかなければ伝わらない。
至極当然のことが、なんでだろう...。となる。

カメラマンでなくても、今の時代は機材の性能が高いので十分に奇麗に撮ってくれるよ...。
だとか、
思いを込めて撮れば誰でもココロを伝える写真は撮れるのですよ...。
といった、
まるでマインドコントロールかと見まがうような言葉が当たり前のように聞かれるようになり、上記の疑問はより強くなってきたように思う。

単に機器のキャパだけに依存したり、精神論を語るだけでは結果は出ない。
そこには、キッチリとした理論や原理原則があり、結果が出るような操作をしなければならない。
このオレンジたちを撮ったiPhone5カメラには「おいしそうセンサー」は付いていないはずだ。


ラジオ放送の補足説明です

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タッキー816 みのおエフエム様の番組「カメラとお散歩」のコーナーにて、毎月第一水曜日午前11時よりカメラや写真に関連したお話しをさせていただいています。
今回2月6日の放送では、リスナーさんから「体育館での撮影時、ブレが大きくなるためにうまく撮れない。その改善策は?」というご質問をいただきました。

話し慣れない私を、いつもうまくフォロー・リードしていただく番組パーソナリティ千波留さんの考える対策は、「ISO感度を上げる、絞りを開く、シャッター速度を早くする」の3点。
まさに完璧な模範解答でした。

放送時の私の回答は、シャッター速度を上げることで改善しましょう。但し暗くなる可能性もありますね。という項目にとどめていました。
リスナーさんは、さまざまな環境(使用機材の違いや個々人のスキルなど)があると思われるので、ターゲットをどこに設定するかといった部分でいつも悩みます。

今回の想定は、一眼レフ(ミラーレスではない)に汎用ズームレンズ(開放f値=f5.6〜f6.3程度、135mm〜300mm程度の焦点距離)を装着した機器を使用していると考えています。
体育館で行われる卒業式では、舞台上のスポットが当たっている部分でも決して明るくなく、その結果、カメラ側でスローシャッターになるためにブレてしまう、というシチュエーションだと思われます。
もちろん詳細は不明ですが、舞台は概ね、ISO1600、 F4、1/30〜1/50程度の明るさではないかと想像しています。

レンズの開放f値が5.6や6.3ではかなり暗く、同時にエントリークラスのボディであれば、カメラが自動設定しうるISO感度は3200から6400程度が上限になると考えられます。
この条件で上記の明るさから逆算したシャッター速度は、1/15〜相当明るい舞台としても1/125程度のシャッター速度になるでしょうか。

よく言われる、手ブレしない手持ち限界シャッター速度「1/焦点距離」に当てはめるなら、望遠ズームの焦点距離200mmであれば、1/200程度は必要になる計算で、これよりも遅いシャッターだと相当安定したホールドができる方でなければブレて当然、という結果が見えます。
最近のモデルでは手ブレ補正機能が付いているものが大半なので、この機能に助けてもらったとしても、ギリギリだろうと思われます。
また、被写体側が動くと1/30あたりでは止めることが困難であり、卒業書証を手渡され一礼をする程度の動きでも、ほぼ間違いなく止まりません。これは被写体ブレの部分です。

こうしたことから、ブレずに止めることを最優先に考えるならシャッター速度を上げるしかなく、汎用ズームレンズでは絞りももうそれ以上開くことができず、ISO感度も自動設定では限界、ではなかろうか、ということなのです。
ですが、更に加えるなら、カメラ側で満足な露出が得られない時にはシャッター速度を設定値よりも長く(遅く)するセイフティシフトといった機能が働く可能性があり、これではブレずに止める目的を果たせません。


このままでは結論が見いだせませんので、ご質問の方の環境や機材を考慮せず「ブレないという目的を果たす」ことだけに観点を置いて書いてみます。

1.最低でも開放f値が「f4」のレンズ、可能なら「開放f2.8」のレンズを使う
2.ISO感度が6400から12800でも許容範囲と判断できる低ノイズであるボディを使う
3.RAWで撮影しマイナス一段から一段半のアンダー露出でシャッター速度を稼ぎRAW現像時に不足分を増感する
4.舞台に可能な限り近づき、より広角の焦点域でブレを軽減する

という感じでしょうか。投資費用も驚くようなゾーンになる可能性があります。

では、もっと現実的な汎用ズームとエントリークラスのボディならどうするか?です。

1.ISO感度を設定可能な最高値(6400〜12800)にする(この場合のノイズは不問事項とする)
2.シャッター速度は1/125から1/250に設定する
3.セイフティシフト等は無効にする
4.絞りは(おそらくf5.6〜f6.3)開放に設定する
5.舞台に可能な限り近づき、より広角の焦点域でブレを軽減する
6.可能であれば三脚、もしくは一脚等を使用する

これで試し撮りをして本番に臨む。
という感じではないかと思います。
ですが、失礼な意味ではなく、こうした設定が実際にできるのかどうかも不明です。


写真は、色々な要素や環境要因が絡み合って結果が導きだされます。かけ算の九九のように、一つの計算式に答えが一つ、という訳には行かないことを申し添え、補足の説明とさせていただきます。
放送時には、最大公約数的な回答になってしまう点、ご理解ください。

また、放送後に以下のご意見をいただきました。
ありがとうございます。来月もお楽しみにお聞きいただければ嬉しく思います。

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●わかりやすかった
●室内で写真を撮ることが多いのですが、数多く写してもその中の数枚しか使える写真がありませんでした。うまく撮れているものも自分で考えてというより偶然でした。これからは光を考えて撮ってみます。
●光の話が特に面白かったです
●すぐ真似できるとは思わないけど、何も考えずに撮影するのと、少し気をつけて撮影するのとでは違うと思うので、ためになる。
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