高いけど高速が新潮流?
「高いけど高速」が新潮流だとか。
コストメリットがあるからMVNOを選択したのではなかったか?
速度が欲しいならキャリア回線でいいでしょ。と。
キャリアの契約から離れて格安simを味見したい、その気持ちからMVNOに来てみた。
けれど時間帯によっては遅すぎ!という声に対応するためのオプション。
この展開自体は理解できないことはない。
しかし、MVNOであっても、多くの実使用場面で問題が無い程度の速度が確保され、極端な速度低下が起きないならば「高いけど高速」なんてオプションは要らないわけで...。
そう、常時数十Mbpsだとかの回線速度キャパが欲しければキャリア契約でいい。
でも、多くの用途で問題がない1〜5Mbpsで良ければ、昼間でも実現しているsimはある。
探せば「実使用上問題ないレベルの速度」は手に入るのだから。
この「高いけど高速」という展開、
時を同じくして、webではMVNOのデメリットが目につき始めた。
止まらない流出・転出ユーザーを阻止したいキャリアの思惑と、収益構造の改善が必要とされるMVNO陣営の背景がオーバーラップして何か大きな力が働いているように思えてならない。
スマホで固定電話回線を使う
固定電話回線なんて不要...。といった時代になって久しい。
常に手元に携帯電話があり、それはスマートフォンに置き換えられつつある。
現在、携帯3キャリアは「通話定額」固定費部分を外すことができず、音声通話をほぼ利用しない者にとっては無駄な支払いを強いられる。定額だから...と喜ぶのではなく、通話ヘビーユーザーの分まで支払い負担させられているという認識は持ちたい。
通話の過去を振り返ると...、
オフィスにある固定回線では、デスク着席時以外には会話できないことが多く、コール先相手のポケットやカバンに入っているであろうケイタイを呼び出すスタイルが定着した。
こうして音声通話するなら常にケイタイ・スマホ番号へ。の時代に入った。
但し、運転・移動中や案件従事中はリアルタイムに応答はできないため、結局、留守電録音を経るようになる。
自分の場合、出先で着信にすぐ応答できるケースは皆無に近い。
ここで越えたい課題は、留守電確認後のコールバックコストにある。
固定回線番号で受けても携帯番号で受けても、いずれも留守電が大半であるならコールバックが必要になるし、そのコストは低く抑えたい。
だが、オフィスに戻り固定電話で発信する?など非現実的な方法はあり得ない。
ならば、出先のスマホでもコストの低い固定電話番号での着信・発信ができるようにすればよい。と考えてみる。
ひかり電話等のサービスを契約している前提になるが、オフィス内でスマホを内線子機として使える環境とVPN環境を構築し、出先ではスマホからVPN接続し特定アプリを使う。
バッテリー喰いのアプリや、移動によって解除されることもあるVPN接続を機会をみて確認しなくてはならない点はハードルになるかもしれない。
が、多くの人が頻繁にSNSをチェックする回数よりは少ないだろう。
メールシグネチャには今年度から「出先のスマホも固定電話番号で発着信OK」と記載しはじめた。
もちろん、オフィスのルーターが停電等で落ちると利用できない。といったリスクも知った上で。
他の人の通話料金であろう分まで毎月支払っている人には無用の話だと思われるが...。
通信品質悪化とな
「特定アプリケーションの配信に伴う通信品質の悪化」と、公式発表のIIJmio。
本日ローンチの「Pokemon GO」の影響だと思うが、こうした発信がタイムリーにできること自体は素晴らしい。ただ、物事の裏側にも思考を巡らせておく必要があるのではないだろうか。
MVNOはトラフィック集中時に品質が低下する、というのは既知の事実となったが、本日、当方の手元で稼働するMVNO(AsahiNetLTE、UQmobile、FREETEL)は、いずれも通常通りの体感であった。
twitterには、
IIJmioはユーザー数が多いから無理もない。
技術のIIJでも音を上げる凄いトラフィックなんだ。
頑張れIIJさん...。
といった感じの文字を見つけることができる。
IIJのサービスを契約しているユーザーの多くが同アプリを利用したのかもしれない。
また、同社には該当アプリを利用するユーザー層が多いのだろう、との予測もつく。
だが、ユーザー数が多いから...という理由ならば、更に多くのユーザーを擁するOCNモバイルONEや楽天モバイルでも品質劣化が起きていただろうか?
もっとも、普段から他社の品質は論外なんだから、という意見もあろうかと思う。
ここで考えたいのは、IIJmioは「品質の乱高下」が激しいすぎる点。
トラフィック制御が無いはずはないだろうが、トラフィックの増減が「素」に近い形で表出しているように感じさせる味付け、ということ。
そして、積極的に悪化の発信...。
この裏にある企業戦略を想像してみる。
そこにさまざまな思惑が見えてくるのである。
IIJmioのsimは黎明期のターボ車に似ている
IIJmioのsim(格安simサービス)は、ユーザー満足度といったような意識調査で常に上位にランクインする。大変素晴らしいことだと思うし、利用しているユーザーは本人が納得して使用する限りそれで良い。
私は、2014年にmineoを利用していたがiOS8問題で違約金を払い逃げ出した世代。
2015年にはIIJmioに移ったが、今2016年春に解約している。
最近は、sim freeの知名度が相当高くなり、ご縁のある多くの方からアドバイスを求められることも多い。
その中でIIJmioに対するイメージを話す場合に、クルマの例えでお伝えすることがある。
「初期のターボエンジン車」をご存知の方も多いと思う。ある程度の世代で車好きの方には理解いただくことが多い。
例えるなら、「信号ごとにStop and Goな街乗りにはストレスが溜まるばかり。」というイメージ。
初期のターボエンジンは、過給機の性能が現在ほど高くなく、エンジン回転数をある程度上げて物理的な排気流量が生じない限りタービン自体が十分に回転しないために出力が上がらなかった。
少し走ればまた停止...といったシチュエーションでは、低回転域のトルクが細くスカスカなため加速が非常に重く、並走する軽自動車に完全敗退。停止状態からの初期起動が重いのでストレスが溜まる(simサービスの初期読込速度のことではない。クルマの例え)。
しかし、それなりの距離を継続して走行するなら、エンジン回転数をある程度上げてキープできるため、排気流量が増え過給圧も急激に上がる。そして爆発的な加速を楽しめる。といった特性があった。
今、IIJmioのモバイルサービスを見ると、少し乱暴な例えながら、この出来のよろしくなかった時代のターボエンジンの特性や体感がオーバーラップする。
混雑時間帯が増え、結局、昼のピークタイム以外でも使いたい多くの時間帯で、とにかく重い。
反対にオフタイム(トラフィックが少ない深夜、早朝など)では爆速が出たりする。
スピードテストマニア?にウケるから、爆速!すごいよ!...的なインフルエンサーが増えるし、さらにもっとパフォーマンスの低いsimと比較すれば、安定してる!ってなことになる。
もちろん、ファン作りの努力もあろうし、S氏、D氏、O氏といった今では有名人となった中の人の存在も大きいだろう。また速度・レスポンス以外にも優れた点は多い。
だが、体感上は「多くの使用シチュエーションで非常に乗りにくいクルマ」(であった=解約済)。
他方「非常に乗りやすいクルマ」も他社のsimには存在している。
トルクウエイトレシオが高く、機敏に加減速が利くクルマは街乗りでもストレスが溜まらない。
但し400馬力だとかの絶対性能は備えていない。
しかしよく考えると「大半の使用シチュエーションである」街乗りではほぼ関係がない。
恐らくトラフィック制御がかかっているのだろうが、昼でも3〜5Mbpsは確保でき、夜も15〜20Mbpsほどしか出ないが、これこそが体感上満足できるサービスだと思う。
これをもって安定している、と呼ぶべきだ。
かつてドッカン特性のターボ車はスペック至上主義者にだけは崇拝された。何かこの部分も熱烈なファンが存在する点で似ているように感じる。
クルマのターボエンジンが、その後時代ととにレスポンスが向上し、街乗りでも体感的に無理のない設計になってきたと思うが、MVNOのサービスもこうした変遷を辿るのかもしれない。