現場で重要視すべきは絞り

「画像処理は撮影とセットで考える時代」と、いつもお話しをしている。
但し、後処理で何でもできるんだから撮影時点ではいい加減に撮ってもいいよね。
という意味ではない。
撮影時点では旧来から存在する知識や技法を使いながら、更に後処理でもっと追い込むことができる、あるいは、撮影時点でのリスク軽減の相乗効果もありますよ。ということ。
だからこそ、撮影と画像処理をセットで考え、単なる画像データではなく作品に昇華させていただきたい。
ここで、留意しておきたいのは、
後処理で実現できない、もしくは現時点では後加工によりその効果を得るためにかなりの手間ヒマがかかってしまう、または現在の加工技術では違和感のある結果しか得られない事項...。
それは「絞り値」による被写界深度とボケ具合。だと考えられる。
今では、画像処理によりかなり高度なボケ味を出すことが可能になってきた。また、全焦点のデータから撮影後にピント位置を決めることができる、といった最新技術も出現しているようだ。
残念ながら、というべきか疑問もあるが、現時点での技術(全焦点の最新技術は除く)では、撮影時点で生み出したボケは、後加工でピントの合った絵に変えることはできない。
だからこそ、撮影者が意図した絞りによる被写界深度やボケ具合、というものは、加工によって作り出すのではなく、撮影時点で「撮影者のインスピレーションや感性」によって決定したい事項なのである。
こうしたワンウエイの結果となる部分に思いを巡らせることで撮影に楽しみを加え、
思い通りのボケ具合を手に入れたときに満足度が高まる。
現地で重要視されるべきは「絞り値」によるバリエーションであろう。
2015/09/27(Sun) 16:37:50 | Aperture