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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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メンテナンスの前に

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年度末から新年度に向かう時期だから?
新たに何かを学ぼう...という意識の高い方々から色々とご質問やお問い合わせをいただく。

「メンテナンスは具体的にどんな作業をされていますか?」
今日はこの回答の前に、一つだけ私流のコメントを。

この画像は、先週末の
「昨日のパートナー」[ Link ]で使用した40D Bodyの設定。
ディナータイムの店内撮影であったためISOセットは800にしている。
お店の閉店時間や終電など、諸々時間に追われて設定はそのままで戻っている。

翌朝にこのカットを撮影。(これは珍しくBlog掲載を意識して撮ったものだが)
本日火曜にはスタジオ撮影を控えていたので、その前には間違いなく設定を元に戻さなくてはならない。

レンズの汚れを取り除くとか、バッテリーの容量確認とか...。
そうした作業の前に、まず「自分の基本設定」に戻す。
これが必要なアクション。

次に撮影する場合に、どれだけ慌てても、そしてどれだけ設定や調整を忘れて撮影しても、いわゆる自分のノーマルポジションである限り、その撮影の結果がある程度読めることになる。
それをノーマルポジションとしての自分の基本設定とする。
(これは必ずしもメーカーデフォルト設定が良い訳ではないので念のため)

そして、本日の撮影も無事に終了することができた。
もちろん、自分の基本設定からスタートし今日の設定に切り替えてから本番に臨んでいる。
戻ってからは、再度「自分の基本設定」に戻すことも忘れてはならない。


設定を「自分の基本設定」に戻す。
それは、スチル機材、ビデオ機材、レコーディング機材、いずれであっても同様。
これがメンテナンスの前に行う基本アクションであると同時に、広い意味でのメンテナンスであると考えている。

昨日のパートナー

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昨日もかなり冷えた。
指先も足先も凍えた状態で会場入り。
今回は弦楽四重奏の演奏会撮影である。

リハを終えても、体が温まるまでは今ひとつ撮影リズムが掴めない。
撮影のペースとリズムを整えるため、飲み物も食事も一切のものを口にしなかった。
音楽演奏の撮影には、演奏の流れと同化させてゆく体のリズム感が非常に重要である。

今回のパートナーとしての撮影レンズは、
EF17-40 f4L
EF135/f2L  に加えて、EF50/1.4の3本。

大抵、全てのレンズを持ち込むのであるが、今回は機材を少なくしたかったこともありこの3本で撮影に臨んだ。

開演...。
今回は、難しくフォーマルなものではなくディーナーコンサートであり、会場の雰囲気に馴染むのに多くの時間は必要ではなかった。

終演後の集合撮影まで無事に撮影を終え、終電になんとか間に合わせて帰途に着いた。
到着後の駅前は積雪、既に一面雪景色。

滑る足元に気をとられながらも、軽量セットにした大切なパートナー機材、撮影データと共に帰還することができた。

今年もまもなくシーズン入り

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今年の冬は寒い日が多いように思う。
降水量も多いのではないだろうか?
例年あまり見かけることの無い「雪」も頻繁に目にする。

そうは言いながらも暦だけは前に進む。
春からのシーズンを控えてスケジュールは着実に抑えなくてはならない。

雨に降られると辛いところである。
天候だけは日頃の行いに左右される...?
のかもしれない。

作品の向うに見えるもの

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立春。
旧暦は現在の新暦より一月ほど早い。山の頂はまだ雪景色である。

先日、十数年ぶりにある人物と会話する機会を持った。
彼は学生時代の2年間、音楽を通して苦楽を共にした仲間である。
既に卒業後に経過した期間のほうが出会った時の年齢よりも多くなってしまった。
現在、外資系企業の重鎮として活躍されている。

その彼。昨年、病魔に苛まれ末期宣告に近い境遇に立たされることになった。
そのとんでもない状況に置かれながらも、私のこのサイトにある写真を眺めては色々な思いをめぐらしていたという。

「写真の向こう側に宮本さんの姿が見えるんです!」
そう感じたということである。

ここに掲載している写真の多くは、自然体で撮影している。
サイトに載せるために撮ってやろう...。と考えたものではない。
しかし何も感じない時には撮影をしていない訳だから、何らかのインスピレーションによってその絵を切り取っている。

そのような感覚的で言葉にならないもの...。
「伝わる」とはこういうことなんだな。

今日の一枚。名工の手による人形。
人形の向こう側にある魂を見たような気がした。

プロはコスト意識が必要

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いつもながら、写真を志す...という学生さんに数多く訪問・御意見をいただく。
今日は特にそのような方に向け「コスト意識」について書いてみたい。

「やっぱりカメラはプロ仕様機材が必要ですよね?」
「機材はどれくらいの予算のものが妥当でしょうか?」

よく聞く質問である。
激しく勘違いしているのは、プロ機って何?ってこと。

メーカーが耐久性や精巧さを保証して出荷しているものを指しているのだろうが、それを使うか使わないかは仕事の成否とほとんど関係がない。

ハッキリしていることは、
その機材を使わなくては撮れないのか? 
ということである。

画質の大部分はレンズで決まる。
勿論、ボディが何でも良いとは言わないがレンズにはお金をかけた方が良い。
ボディは、連写性能が必要だとかの用途によってはそれなりの機材が必要だろうが、でなければフラッグシップは必要がない。

プロ機といわれる機材は、耐久性や精度に優れた点があるのは事実だろうが、自分がこれから撮って行く被写体が何なのか?
そして受注した仕事のアウトプットがどの程度の品質・どの程度の価格ゾーンにあり、客先から何を求められているのかをしっかり見極めなくてはならない。

事例を他のフィールドに移してよく考えてみればよい。
例えば運送業。荷物を如何に効率よく確実に届けるか。 これが運送業の仕事である。

では、配送に使う車は何が良いのか?
馬力もトルクも絶大なスペックを誇るスポーツカーがいいのか?
その答えは小学生にも判る。

もちろんスポーツカーで配送しても構わない。
私が言いたいのは、この次の言葉である。

「仕事にかかるコストの意識」

できるだけ安く維持できる車両で、できるだけ安い燃料代で、できるだけ短い時間で配達しなければ自分の手元に残る利益は減少する一方である。

撮影機材においても、原則は同じである。
こう書くと、こんな言葉が返ってくるだろう...。

「そうは言っても高い機材でなくては万が一データが飛んだら」
「リスクヘッジの為に高額な機材を使っている」 とか...。

そのために機材の二重化やメモリーカードの分散をしているのである。
それにフラッグシップ機以外の機材が信頼性に欠けるとは言えない。
新導入の機材を実際に使用する前には、テストを繰り返し自分自身で検証している。
先般の40Dでもそうである。仕事に使う前にテスト撮影で5,000ショットを超えるレリーズを繰り返してから投入している。
また、確実なメンテナンスも忘れてはならない。

メーカーのイメージ戦略に惑わされてはいけない。
写真に関する機材は、趣味の世界にも通じている。
趣味の世界には、コストという言葉が存在しないのである。
(酷いのはオーディオの世界にあるケーブルの類。線一本で乗用車が買える!これはまた別の機会に...私はそんな世界とは無縁だが)

仕事と趣味の境界線は、このコスト意識にある。
商道徳に反して偽装が蔓延するのも、できるだけコストは安く上げ、利益は最大化したいからではないのか。
(ある部分では間違いではないが)高額な機材を使ったら高品質な画像が出るとは限らない。

商売に対するコスト意識。
そして、使用機材を最大限に使い切るスキルとテクニックを磨き、感性を鍛えるのが先ではないだろうか。
(「撮影教室」近日中にご案内できる予定です)


今日の写真は、ウェディング会場入り口のウエルカムボード。
もう5年目を迎える老体ボディでも、ハイライトの白飛びを極力抑え、シャドウの階調を生かす撮影は可能である。
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