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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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広角レンズのダイナミックさを楽しむ

photo by AKIRA MIYAMOTO

コンパクトデジカメは、電源を入れると「最も広角側でスタンバイ」となるモデルが多い。
ある程度画角を狭め望遠側を使いたい場合、ズームレバーやボタンを操作し画角を変えているはずだ。

しかし、ズームレバーを操作するより自分の腕を前に出すだけで寄ることができるため、その最も広角位置のままカメラごと寄ってしまうケースも多いように思う。
その結果、手前側だけが強調された「鼻デカ犬風写真」になる。

この「モノの形状」に対する意識を持ちましょうね。という点が大切なポイントであったわけだが、これを習うと「今度は広角側を使わなくなる」といった弊害を発症する人が出てくる。


広角は、形状の正確さを求めるのではなくそのダイナミックさを表現するために使うもの。
レンズ焦点距離が持つ特性を、撮りたい絵に合わせて操作することが楽しみであり懐の深さであるはず。


何が良い。何が悪い...? 二者択一思考というのだろうか?
用意された設問から一つを選ぶ、といったクイズ形式の番組の影響なのか、自分で白紙から絵を描いてみる、といった思考が退化しているように思えてならない。

寄って撮らない理由

photo by AKIRA MIYAMOTO

「寄って撮る」本当の意味(2009年11月)[ Link ]
この記事では、
本来、寄って撮るという言葉には「メイン被写体以外の余計なものを減らす」という意味があり、主たる被写体が真ん中にぽつんと小さく写ることを避ける意味なのですよ。
といった投稿であった。


寄るためには、
-----撮影者自身がカメラごと寄って行く、
-----あるいは、カメラ位置はそのままでズームで望遠側に寄って行く。
この二つのアクションが考えられるが、スマートフォンカメラやコンパクトデジカメの電源が入った直後には、広角側の焦点域となっている。

広角側で被写体に寄ると何が起きるだろう?
広角側の焦点距離では手前にあるものが大きく強調されるレンズ特性がある。もうお馴染みの「鼻デカ犬風」写真になる。

これは一つの表現方法としては有効であるが、形状を正確に再現するといった部分の感覚を磨くことができない。


他方、過去から「ズームを使うな、自分で前後に動け!」という名言もある。
これは、そのレンズの焦点距離が持つ画角や被写体の前後関係による対比・強調感を体で覚えよ、といった意味がある。
特定焦点域の特性を覚えよう!の言葉であったものを、自分が動いて寄って行く。という一部分だけをトレースして「鼻デカ」写真を量産する...。
これではいつまでも「モノの形状」に対する感覚を覚えられない。


寄って撮らない理由はここにある。
但し、寄らずにズームして望遠側を使う限りブレのリスクが高まることは忘れない。
こうした色々な条件を組み合わせながら、望む結果を導くのが写真の楽しいところである。

50mmレンズを買いに行くと店員さんが...。

Photo by AKIRA MIYAMOTO

50mm単焦点レンズを手に入れ、ボケや被写界深度、モノの形状の再現、距離感...といったものを勉強しようとする方が増えている。
購入に際しては、ショップに出向いて実物に触れるのは良いことだと思う。しかし、以下のようなご質問も並行して増加傾向にある。

「ボディがAPSセンサーなので、50mmが欲しいなら35mmを買ってください。」と店員さんに言われた。
で、結局「50mmと35mmのどちらを買ったらいいの?」というご質問。


これは、APSセンサーサイズのボディに装着すると、焦点距離は1.5倍だとか1.6倍相当になるよ。という店員さんのアドバイスなのだが、APSセンサー機を使う場合に確認しておきたいことは...。

1.[実際に50mmレンズの画角]が欲しい
2.[50mmレンズの持つ特性を体験]したい

自分の場合には、このどちらに相当するのか?を明確にしておきたい。
1.の場合は実際にその画角でなければ収まらない範囲を写す必要がある状況と考えられ、APSセンサーボディを使う限りは35mmを選択するのが正解となる。

しかし2.の場合には「その50mm単焦点レンズの特性」を使いたい。という理由である。
よって、画角は75mmだとか80mm相当になるデメリットはあるものの、大口径開放絞りの極浅被写界深度といった特性は、35mmでは得にくいということになる。

また、35mmは広角系であり寄るほどに手前のモノが強調されるため「鼻デカ犬風」になる傾向は否めず、モノの形状の差を遠近感とともに知る、という体験も困難にしてしまう。

入り口(=目的の明確化)を間違えると、望む結果を得られない。という例である。


---こちらもご参考に(専門家プロファイル2011年記事)---
【単焦点レンズの魅力って何だろう?】
https://profile.ne.jp/w/c-59897/



アングルを変えて撮る

IMG_6343.jpg
ステップアップクラスでの撮影より。
いつもとは異なる高さに視点を置き、全く違ったイメージを狙う。
広角系のレンズを用いて強調感を利用した撮影をしてみる。

参加いただいた皆さん、最初はイメージを掴めず困惑の様子だったが、時間とともに何となくでも方向性を見つけることが出来たのではないだろうか。

地面に頭を付けて撮影される方もあり、普段の仕事や生活の空間とは全然違う世界と時間を過ごす。
師走の多忙時であっても、どこかでこうした時間も必要なのだと思う。

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