連写を否定しないけれど…

連写モードで撮影すると、右手人差し指はシャッターボタンを押し続けるだけの「作業」しか行わない。
同時に、頭の中も動く被写体を眺めるだけの「傍観」状態。
連写のメリットは、撮影者が狙った「一発撮り」では決して手に入らない瞬間が手に入ること「もある」。
しかしそれは偶然の産物であり、結果が出ない場合もある。
もちろん、一発撮りで狙っても結果が出ないことは多い訳で、どちらが良いか悪いか?というテーブルに載せるのが目的ではない。
強く感じるのは、撮影者の満足感というか撮影の楽しさや達成感、といった部分がだんだんと疎かにされてきているな、と思われること。
連写モードで指を押すだけの作業に徹していると、撮影時点では一発撮りのように「このタイミングを絶対モノにするぞ」という意気込みや、思い通りの結果が得られた時の「やった!どうよこれ!」という達成感が低いように思われてならない。
また、連写モードでは、後から連続したカットの中からベストショットを選別するアクションが必要になるが、これまたモニター画面を眺めて選択する作業から高い満足度を得られるようには感じないのである。
かくして「一発撮り」の緊張感やそのタイミングを体で覚え、会心のカットを手に入れたときの喜びを知る人が消えて行く。
こうした目に見えない部分に存在する「心踊る楽しさ」といった部分がアピールできず、知る人も減る。
メーカーの販売数減少が叫ばれるが、こうした部分を知らない人が増えるから需要が喚起できないのかもしれない。
もっとアドレナリンが分泌されるような体験をアピールすべきではないだろうか。
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2014/09/09(Tue) 11:02:24 | shutter speed