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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

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画角の感覚を身につけよう

APS-Cサイズで撮る画角を意識しよう:解禁日後のかにを撮る

かに解禁日を迎えて一週間。
初物をいただいた。

足が一本折れてしまったが、撮影操作そのものには影響はない。
今日のテーマは「画角」。

カメラ位置を基準として左右に広がる角度の大きさ(=画面に写る広さ:範囲)を示すので画面の角度という意味で使われる。

デジタル一眼レフが普及してくると、単焦点を入手される方も増えてくる。
教室でも、ボケや被写界深度の講義の後には、必ずと言ってよいほど単焦点を追加で入手されることが多い。
それは、美しい背景ボケを語るにはどうしても汎用ズームでは無理があるためだ。

ところが、入手し易い「50ミリf1.8」等の「50ミリレンズ」をAPS-Cサイズのカメラで使用すると、画角は75ミリだとか80ミリ相当になってしまう。
メーカーのカタログや取説にも焦点距離は1.5倍や1.6倍相当になる、と記載されている。

これはセンサーサイズが35mmフルサイズ(24x36mm)よりも小さいため、結果としてより長い焦点距離のレンズを付けたのと同じように「画角」が狭くなることによる。
「画角を体で覚える」という過去から重要視されてきたことが、間違った感覚で身に付いてしまうことになる。
50ミリレンズを付けているのに、実際は80ミリレンズの画角を見ているわけだ。

自動車運転免許を取るときに、時速40キロだとか50キロの感覚を身につける。と習った。終始速度計を見ていては、前方を見ることができず大変危険だからだ。

写真撮影では危険を伴うことは無いが、画角のイメージを自分なりに持つことはとても大切だ。
50ミリ単焦点が「標準レンズ」と呼ばれたのはもう過去のことで、既にその言葉を知らない方のほうが多い。
標準と呼ばれる理由は、広角的にも望遠的にも使え、絞りの特性を活かしながら、距離感を体で覚えることができるからに他ならない。

単に、絞りの値だけで背景ボケが決まるのではなく、被写体と背景の距離、被写体とカメラの距離によってその度合いが大きく違ってくる。
また、寄ることによる形状の強調感や、引く(離れる)ことによる望遠レンズ的圧縮感の感覚も体で覚えることができる。
その特性を学ぶのに最も適したレンズであったから「標準」と呼ばれた。

では、35ミリを付けていれば50ミリ(前後)になるので良いのか...?
確かに「見えている範囲という意味での画角」だけは近いものがある。
だがこれでは、35ミリの広角側のレンズ特性が大きく出てしまうため、印象はまったく別物になる。

今頃になって「感性を養う」現場で、APSセンサーサイズの弊害が出てきたのではないだろうか?
私自身もあまり意識をしていなかった。自分がAPS-Cサイズボディで撮影する場合には、フルサイズの画角の中央部分しか写っていない...という切り替えが無意識に行われていたのだと思う。

だが、初めて触れたデジタル一眼レフで、APS-Cサイズと50ミリレンズの組み合わせで単焦点の特性を学ぼうとしている方に、その深い部分の感覚を伝えようとすると「画角があまりにも狭い」ことに改めて気づいた。

5D mark2 85mm f1.8 ISO1250 絞り優先AE f1.8 -2/3EV
2009/11/13(Fri) 16:34:45 | Composition

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