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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

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天体写真の基本の「キ」

2011年12月10日皆既月食

載せる予定は無かったのですが、まだ出さないのですか?と、そして天体撮影のことも知りたいよ、とメッセージをいただくので一応お応えしておきます。
2011年12月10日の皆既月食。

【天体写真のきほんの「キ」です】

天体の写真撮影には固定撮影と追尾撮影があります。
固定とは文字通り三脚に固定し、追尾とは天体の動きに合わせカメラを動かす方法。
星や月は止まっているように思われますが、ご存知のとおり一時間に15度動いています。(教科書的に書くなら地球が動いているから相対的にそう見える:地動説って昔習ったかも)

なので、三脚固定していても超望遠で拡大すると目に見えて画面の中を動いているものです。
今回は、追尾する装備はありませんので三脚固定です。
焦点距離は300mmプラス1.4倍テレコンなので、420mm。画角は5度くらいでしょう。
なので、スローシャッターだと月のほうが早く動いて流れていまいます。
これを止まっているように写すには早いシャッターが必要ですが、そうすると明るさが足りません。
対策としてISO感度を上げれば良いのですが、今度はノイズ増加に悩まされるのでフルサイズセンサー機(5Dmk2)を選択。
シャッター速度は1/8、絞りf6.3、ISO感度1250。多分1/8でも流れてます。かなり絵が甘いのは流れているため。
また、この画像、かなり大胆にトリミングしています。420mmではもっと小さくしか写りません。もっと大きく写すには、更に長い焦点距離のレンズでなくてはなりませんが、上記のように月のほうが早く動き流れてしまいます。
これを防ぐには、追尾撮影をしなくてはなりません。そのためには「赤道儀」という北極星を中心に回転する軸を持った装置を使い、天体の動きに合わせ動かしてやる必要が出てきます。
高校時代にはこの赤道儀を製作し、文化賞なんて名誉もいただきましたが、昔の話。
このあたりの情報は、現役webアストロノーマーに任せます。

あえて軌跡を残す表現をしたいなら固定撮影となりますが、その代表は、これまた教科書で見覚えがあるであろう、北極星を中心に同心円状に回転してますよ、という写真。
でも完全に360度の軌跡は北極点にでも行かなくては撮れません。日本では白夜になりませんので朝になると日が昇ります。

追尾撮影では、星野写真と呼ばれる(今もそう呼ぶのだろうか?何せ私が撮影していたのは30年以上前...)星座の配置が判るような広い範囲の写真でありながら、暗い星まで数多く写っているものがあります。
このような写真を撮るには、何時間もシャッターを開放にしたまま、赤道儀で追尾するという方法です。冬場の夜間では氷点下になることもあり、その環境で何時間もひたすら追尾し続けなくてはなりません。
私が撮っていた頃は、現在のようにPCベースでリモート操作するような時代ではなかったので、ガイド鏡を覗きながら、手作業でジワジワ回していたので、凍傷寸前になるようなこともありましたが...。

当然シャッターは指先で押したりしません。
今回は、ミラーアップしセルフタイマーでレリーズしています。
昔は、レリーズケーブルをシャッターボタンにねじ込んで押していましたが、物理的に動きが加わるので、レンズ前を黒い紙で覆っておいてからシャッターを押し、直後に紙を除ける、というような小技もありました。

天体撮影ゆえ、日が暮れて夜があけてしまいそうです...。
長くなりますので、このあたりで基本の「キ」は終了とします。
2011/12/12(Mon) 18:25:50 | Information

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