まず解像度ありき

解像度についての難しい話は書かない(書けない)が...。
印刷会社に画像データを入稿しようとする場合、そのアウトプットに対して「解像度」が満たされているかどうか?は最低限の条件である。
多くの場合、必要寸法で作成され、解像度が350dpi(以上)であることが常識だと思う。
それは、多くのオフセット印刷の線数が175線であるために、その2倍の解像度をもったデータで入稿することでクオリティを確保するためだ。
更には、「高線数印刷」という、より解像度の高い印刷技術も浸透している。
印刷会社の営業は、クライアントから入稿されるデータの解像度が低ければ再入稿のために再び満足なデータを取りに走らされる!
しかしながら...。
いまだに、この解像度の意識がない業界もあるようだ。
なぜ、デジタルカメラの画素数が増え続けているのか?その理由を考えてみても答えは明白なのに。
そして、その恩恵でwebに拡がる写真画像は精細感の高い写真ばかり(例外はある)になった。
アウトプットされる解像度よりも大きい(より細かい)解像度で撮影された画像であるからこそ、最終出力に「解像感」を感じる結果を導きだすことが可能になる。
論より証拠。
webで公開されている溢れる写真の数々。
最近は、コンデジや携帯カメラでさえ、極めて画素数の多いモデルばかりである。
そうしたデバイスで撮影された画像から生成されている画像を見ている訳だから、ウェブブラウザで見ているのにも関わらず非常に精細感がある。
PCモニターで見ているのに何故そんなに細かい画像になるのか不思議だ...。
とメールをいただくケースもある。
モニター解像度は72dpiにも関わらず...。ということだろう。
デジカメの画素数が、まだ35万画素とか85万画素...程度であった時代のwebには、ギザギザの写真が溢れ返っていた。
答えは一つ。撮影時の解像度が高いから。である。
(もちろん、撮影時にブレない配慮・操作は不可欠である。)
もう一つ追加するなら。
リサイズする時点でのソフトウエア処理で「適切な作業」が行われていることである。
いまだに解像度の意識がない業界では...、
このケースに置き換えてみると、72dpiで見る世界なのだから撮影も72dpiで撮るのが最も良い結果になる...と論じられている。
より高い解像度で撮ったものを「適切な処理によって」72dpiに落とし込んだもののほうが「解像感」は高くなるという常識。これが全く理解されていない。
この「適切な処理によって」という部分でも、大きく間違った処理をしているから、結果が変わってきていることにも気が付いていないよう...。
写真の世界でも、デザインの世界でも、そして印刷の世界でも「まず解像度ありき」。
これは常識だ。
もちろん、コンテンツの質や完成度、クリエイターの感性の部分はそれ以上に重要なファクターではあるが。
2010/01/13(Wed) 15:38:49 | Img Processing