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宮本章光/宮本陽の視点「開闢」And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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10円玉を差し出してくれたおばあちゃま

夏の空ヘッダー photo 宮本章光

わたしの幼稚園時代の出来ごとです。

当時、市バスを利用して通園していました。
親子連れではなく一人での乗車だったからでしょうか。小人料金が必要でした。
あまり記憶は定かではありません。

その料金、おそらく15円だったか、その前後の金額でした。
要は「硬貨を2枚使う」運賃だったと記憶しています。

降車時支払いか、乗車時支払いか。
これも曖昧な記憶ながら、わたしは、支払いの段階で「一枚の硬貨を落としてしまう」という失敗をしたのでした。
代金15円だとして、10円玉と5円玉の2枚を料金箱へ投入する直前に、10円を落としたのです。
当時は、ICカードやIC定期券など存在していませんので、すべて現金のみです。

慌てて床を見回しても、パッと見の範囲には見当たらない状態です。
財布は鞄の中。
通園バッグですから再びその中から財布を出して...という作業になります。
相当慌てたことだけが記憶に残っています。

バス運転席のすぐ後には、ある程度年配のお婆さまが乗車されていました。
この方、年齢はまったく不明ながら、幼稚園児の視点では60〜65歳程度に見えました。
現在、自分がその年齢に到達してみますと、実際はもっと上の世代かもしれない、とは感じていますが。

その直後、
慌てて不足分の10円を財布から出そうとしているわたしの目の前に「黙って20円」が差し出されたのです。
座席に座ってらした、そのお婆さまの手の上に10円玉が2枚。

「おつりはいらないからね」
そんな発言が、そのすぐあとに添えられたように記憶しています。
とにかく、お金を落とし無くしてしまったことで頭が真っ白だった幼稚園児のわたし。
御礼の言葉も満足に言えたのかどうか。
そこにまで意識が及ばなかったかもしれない、と、55、56年もの年月が経ってから反省しきり。

そして、運転士さんは10円玉1枚だけを受け取って、あと1枚の10円玉は、後に座るお婆さまへ戻されたのではなかったかな、と。
この風景もあまり鮮明な記憶としては残っていません。なんとなく、そんな展開だったように。


よき時代でした。
心温まる経験。
これらもすべて、自分の感謝の氣持ちと御礼を伝えるという学びのプロセスだったと、思い返しています。

そのお婆さま、もうご存命ではないかもしれません。
一度、心の中からしっかりと御礼を伝えておきたく、文字に落とし込みました。
ありがとうございます。
この心の温かさを、これからの世を創り出す源として大きく拡大してゆきたく感じています。

阪急六甲駅と夏の空 photo 宮本章光

わたしが感じた心、
「その一枚の中に込めた心」を受け止めていただける方々と、肩を張らず、ともに心から響き合える感動を共有してゆきたいと思っています。
それが、望ましい未来を創り上げる方法だと思うからです。

数を追い、人と比べる必要性。
それらを捨てたときに、初めて見えてくる風景を。

わたしたちは一人残らず、
みな恵まれています。
満ち足りています。
ありがとうございます。感謝申し上げます。
弥栄(やさか)ましませ。
弥栄(いやさか)ましませ弥栄(いやさか)ましませ。
2023/08/18(Fri) 19:44:51 | New Age

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