ボケが注目されているけれど

写真の「ボケ味」に関心が高まっているようだ。
定期開講しているカルチャーのクラスでも、コンデジから一眼レフに持ち替えて、より一層魅力的な写真を撮りたい。という目的で参加される方が増えた。
写真は対比で語る世界。
主となる被写体とは対照的に美しくボケた背景、あるいは前ボケを語ることで、撮影者の意図した世界を表現するのが数ある表現手段の中のひとつ。
そのためには色の対比や画面に占める面積の対比、位置の対比など様々な要素を複合的に判断しながら、そこに撮影者の感性を盛り込みたいもの。
ところが...
「一眼レフを買ったらボケの大きな写真が撮れますか?」
「絞りはどれくらいの値にすれば良いのでしょう?」
という質問が続く...。
もう、このブログでも何度も書いているように思うが、写真は掛け算の九九を覚えるようなパターンを覚えてその中から適用する。といった選択方式では表現できない。
ファーストフードチェーンの接客マニュアルのようにパターン化されたものを覚えて、その中から選択するだけで結果が出る、といった感覚の方が非常に多い。
撮影データ自体はデジタル化した。
しかし、撮影者の表現手段や感性は決してパターン化させてはならないと思う。
ベースとなる教科書はあるが、答えは無限に存在するし、撮影者の感性の数だけ作品も存在する。
5D mark2 135mm f2L ISO 3200 絞り優先AE f2.0
2009/12/25(Fri) 01:00:47 | Shallow focus