■ 耳と感性
設備投資のハードルが低くなったにも関わらず、越えられない高い壁があります。
それは、収録作業に携る者の「耳」と「感性」ではないでしょうか。
技術革新に伴ってハンディタイプのレコーダーが脚光を浴びベストセラーとなるなど、演奏会レコーディングに対する敷居が徐々に低くなってきました。
しかしながら、録音機器の適切な設置や、不快感を減少させ臨場感を高める等の調整を行うにはやはり「耳」と「感性」が不可欠です。
写真の分野でデジタル一眼レフが急激に普及し、誰でも簡単に高画質の画像が手に入るようになってきたにも関わらず、思うような写真が撮れない。
言いたい事を伝える写真が撮れない...。そのような現実に直面しています。
画質や機材のスペックには決して現れない部分があるのと似ているかもしれません。
レコーディングの分野でも似たような現象が起きつつあります。
演奏家の方からは、「私の伝えたかった響きはこれです!」「彼があの演奏会で表現したかったイメージがそのまま記録されている!」といったお言葉をいただきます。
私が最も誇りとすることは、収録物に対して演奏者からこうした最大級の賛辞を頂いていることです。
■ 記録に対する価値観
他方、記録の価値についての認識には大きな差が見られます。
一度限りのライブレコーディングであるからこそ記録する価値があるはずなのですが...。
ですが、演奏会会場のノイズや演奏者にとっての僅少な表現違い、体調の変化...。
そのようなネガティブな要素があるから記録する意味がない...。
そうした不完全な音源で自分を判断して欲しくないから記録しない...。
そう仰る演奏家の方もいらっしゃいます。
過去に、グレン・グールド(ピアニスト)が全ての演奏活動を中止し、完全な形に整えた録音媒体でしか世に接点を持たなくなりました。
そこまで徹底したスタンスがあれば納得も出来ますが...。
一度しかないその演奏会会場の空気感・雰囲気をそのまま記録するからこそ価値が生まれる。という観点もあります。
市中販売されるCDは、ミスタッチ、リードミス、タッチノイズ等を全て取り除き、切って貼って体裁第一に作り込まれたものです。しかも大量にプレスされて流通します。
もちろん、それは一つの芸術作品として素晴らしい価値があります。
ただ、演奏会場のオーディエンスと一体化した演奏は音楽演奏という芸術の本来の姿ではないかと感じるものがあります。
素晴らしい演奏会の記録は、近年注目されるハイレゾ録音で形に残してください。
実際にwebにサンプルを数多く掲載しアピールする方法もあります。が、個々の演奏家の方々は、それを望まれないケースが多く残念に思います。
お問合せいただきましたら、サンプルをご覧いただく(お聴きいただく)ことは可能です。
以下、3項目にクラシックコンサート録音に対する考え方とハイレゾデータの技術背景・ハンドリングについて記載いたします。
■1【Sound】クラシックコンサートの録音は
■2【Value】音楽家の響きを残す収録者の役目(当ページ)
■3【High Resolution】ハイレゾ音源のハンドリング
■4【Noise】ハイレゾ音源のノイズ
ご検討いただき、今すぐお問合せください。スケジュールも調整をさせていただきます。
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