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宮本章光/陽の視点 -- And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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明るさに関する考察その後の展開

先日来の「明るめに撮るか暗めに撮るか」の考察。
その後、過去にご縁のあったお二人からご意見をいただいた。
結論としては「二極分化」。
ともにそれぞれの立場で「楽しむ」ことが大切だ、といったまとめになった。


簡単に書くと、まず一つ目。
「PCに取り込んで処理...といったプロセス自体が面倒。」
二つ目。
「自分の思うまま自由に処理する...こんな楽しいことはありませんよ。」と。

前者は、そもそもの話題スタートの方。フィルム時代からカメラに親しんでこられた長い写真経験をお持ちの方。
この場での公開には、少し抵抗も感じてらっしゃる様子ながらご了解はいただけたので記事として。

写真は、撮影と現像、そして紙焼きプリントも含めて完結する。というお考えをお持ちで、機器がそのままデジタルに移行しただけ。
フィルムであっても、撮影時点での露出補正は行うし、プリントを最終形態とするならば、ラボ(現像所)へオーダーする時点で部分的に覆い焼きや焼き込み指示、コントラスト調整なども意向を伝える。
必要な調整は「ラボへの指示」として自分らしさを盛り込む。ということ。
こうして紙焼きプリントの作品が完成する。

お話しの中で感じたのは「特定アプリケーション=Photoshop等の操作を一から覚えなければならない。ここが面倒。それにバージョンアップとか定額支払いとかも煩雑。だいたいPCの電源は滅多に入れない...。」といったお声。
すべてはこの言葉に集約されているように感じる。

ラボへの注文として後処理を依頼するにしても、ハイライトを飛ばさないように暗めに撮る。これ自体は納得されている。

続いて後者。
「自分の目の前で、自分のマウス操作次第で、好きなように何度でも自由に調整ができるなんて!」
この自由度とそのプロセス自体が楽しい、というお声。
一日中でもやっていられる。とのこと。
おっしゃる通り。私も現在はこちらの世界に来ている。ただ、過去にはポジ(リバーサル)からの紙焼きに取り組んだ時期もあったので、お二人のお声は共に共感するところが大きい。

もちろん、フィルムから紙焼きといったスタイルと、フルデジタルjpeg出力フィニッシュ、といった両極端な環境の差であっても、結局は、ご自身で一番楽しめるスタイルを追求することが大切なんだ、と感じる。


現在、こうした後処理自体がスマホに移行し、プリセットのフィルターを掛ける遊びにシフトしてしまっている。そしてそのフィルターは、階調や色彩感覚を故意にに破壊・麻痺させる。
だから、もっと違う楽しみがある。ということは声を大にして伝えて行きたい。

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後で調整するなら結局同じじゃないの?

先日来、明るく撮るか、暗めに撮るか?といった話題で個別にお話しをさせていただいている方がいらっしゃる。そのお話しの抜粋・概要を、ご了解のうえこの場でも公開してきた。

【暗めに撮る?明るめに撮る?】(2017/07/09)
【暗めに撮る】(2017/07/04)

現在の展開は、後から調整する意味は明るい部分が飛ばないようデータを残す目的がある点まではご理解いただいた。だが、ここで疑問が出てきた。とのこと。

「後から調整して明るくするのなら、その調整を行なった時点で、結局、ハイライト部分は明るすぎるといった結果になるのではないのだろうか?撮影の時点で調整するか、後処理で調整するかだけの差なんだね??」と。

これ、仰る意味はよくわかります。でも、そこまで単純ではないのが画像処理の面白いところ。
後処理をPC(スマホ内でも)でPhotoshop等のアプリケーションを使用して調整する場合には、自分の思うままに処理できる自由度がある点が大きな違い。

撮影時点でカメラの明るさ調整をするように「一次直線的」「平行移動的」に、構図内すべてのデータが同じ割合で明るくなる...といった形ではない調整、それは「特定階調の一部分のみ」を伸長する。といった処理が可能になることである。

今から30年ほど前、MacでPhotoshopを起動するだけでも2分近くもかかる時代があった。
だが、画面上で照明の効果を変えたのごとく処理できる様子に感動し、美専の夜間に通った。
そして、今はスマホ上でも簡単に処理できる時代。

写真の楽しみは、撮影前、撮影時、撮影後。三度も美味しい。


1.左壁面の窓の写り込みを飛ばないよう維持したまま、右下の通路を見た目に近いイメージに再現する。
2.電球色が被った壁面を、ブルー色の窓を通して差す光の色に戻す。
3.飛び気味の左窓際にある羽のオブジェの立体感を見た目に近づける。

iPhone7plus / PhotoshopCC
【Origianl】
iPhone7plus オリジナル
【Processed】
photoshop処理

今年の夏も画像処理講座開講予定。
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暗めに撮る?明るめに撮る?

暗めに撮る?明るめに撮る?

いわゆる適正露出は、メーカーの設計思想やカメラの味付けにより、機種・モデルごとに違いが生じる。
入射光式露出計で計測した「その場の明るさ」を適正とするのも一つの考え方。

だが、スマホカメラをはじめとして、一般的には、被写体が存在するその場の明るさを測るといった手段は採れないため、被写体の色や反射率など、様々な条件を勘案して値が決定されるようプログラミングされている。
結果として、Auto露出では安全を担保するために暗めに仕上がることが多い。
更に、反射率の高い白色の面積が多い場合には、賢いカメラはどんどん暗めの露出へシフトし極端に暗くなってしまう。
(最近のカメラは「色」さえも判断するので、真っ白な被写体が全面に存在する場合などには、自動的にプラス補正がかかるモデルも多くなっている。スマホカメラがキレイに撮れる理由は、実はこうした部分が賢いためである。)

これらの仕上がりを改善するために、撮影者が「プラスの露出補正」を行なって「明るく調整」する。
すると、白い被写体がオリジナルのように明るさを取り戻す。
だが、ここで考えなくてはならないことは、Auto露出である限りはデータとして存在し得たハイライト(明るい)部分が、プラス補正をかけることにより「明るすぎる」状態となり飛んでしまうケースが出てくる。このリスクとの戦いになる点。

飛んだ部分はデータが存在していないため、印刷物の場合には「紙の地の白」がそのまま出る。フィルム時代には、ポジのフィルムポリエステルベースそのものの透過状態となってしまい、避けなければならない状態とされた。(=後から何か処理しようとしても、存在していないものは復活できない。)

これらのリスクを避けるために、暗めに撮る、というスタイルがリスクヘッジの手段とされてきた。
それならば、結局、Auto露出で暗めに仕上がっていても良いのではないのか?という話。

ここで判断すべきは、
撮って出し(カメラで生成されたデータをそのまま使う)の場合に、望ましい結果をその時点で出してしまう必要があるのか。
あるいは、
データとしてできる限り多くの情報を残し(飛ばす部分が出てこない)、後工程で様々に調整するプロセスを経るのか。
といった、使途・目的を考えることだと思う。

どちらが正しい、どちらが間違い...。といった二者択一バラエティ番組ではないのだから...。

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