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宮本章光/陽の視点 -- And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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階調の意識をモノクロで磨く

モノクロは階調を意識するのに良い photo 宮本章光
しばらく制作編集・出荷の作業で、こちらはインターバルをいただいた。
続いて別案件、今年は春先以降も継続見込み。

昨秋から重点的に取り上げてきた階調に関する意識。
モノクロの調整を行うことで、よりわかりやすい体験ができるかもしれない。

黒い鯉は、潰れず柄が見えて欲しいし、金色の鯉も飛ばさずに一枚の中に同居させたい。
だが、植物の写り込みである影の部分は、漆黒の黒であって欲しい。
色情報がある(カラーの絵)時点では、金色の輝きやカラフルな色彩に意識が持って行かれるので、階調オンリーで表現するモノクロの絵を作り込むことで、データの上限下限や分布も見えてくるのではないだろうか。

更には、黒い鯉については色情報がある場合とは異なり、思いの外、目立たないため、構図や配置に対する部分にも意識を行き渡らせることになるはずだ。

2019年、飛ばして潰して・秒速SNS。といったスタイルは、既に過去になったことを感じる場面が多い。
自分で階調を作り上げる世界は、ますます面白くなる。

モノクロには無限とも言える表現がある

photo by AKIRA MIYAMOTO

なんとなくカッコイイからモノクロ?
というのも楽しいのかもしれない。
写真趣味が広がるのは良いことだと思う。


モノクロの奥深さは「階調」をコントロールして自分が語りたい雰囲気に仕上げること。

暗室現像に取り組んだことがある諸先輩方は別として、「カメラ=スマホ」世代の人たちにとっては、写真を撮る、とはスマホを向けてシャッターをタップすること。
フィルターを適用すること。
そして、そのままSNSに上げること。
といった流れでしかないようだ。


他方、デジタル時代ゆえ「撮って出し」至上主義の人たちも現れてくる。

毎回、繰り返し但し書きのように断る必要が出てくるのも世相なのかもしれないが、何が良い、何が悪いということではないし、どちらが正解か誤りか、でもない。

フィルム時代には、
撮影したフィルムをどのように現像するのか。
どのように焼き付けるのか。
といった複数のプロセスに「自分らしさ」を盛り込んでいた。


「撮って出し」も、そのポリシーを貫くのは、それはそれで良いだろうし、
フィルターでデータを破壊する遊びも好き好き...。


ただ、
自分らしさを盛り込む手法として、
カメラが作り出したデータが「本当に自分が表現したい完成品で最高の作品」なのか?
あるいは「十数種のフィルターだけからしか適用できない」お遊びで満足なのか?

こうした狭い範囲を飛び出してみると、そこには本当に言葉通り「無限の表現手段」がある。


今、越えるべき課題は「塗り絵が飽きたら写真から離れる」のではなく、次は「白紙に絵を描いて」みたい、といったところにある。


なんとなくモノクロ?

モノクロ作品をwebに公開する人が増えてきた。

でも、単に「色情報を破棄しただけのモノクロ」とでもいうのだろうか。
レタッチソフトで自動処理したか、プリセットエフェクトから選択してモノクロにしているだけだろうな、と感じる画像がいかにも多い。

photo by AKIRA MIYAMOTO

モノクロの良いところは「階調を語る」点。
極端に明暗差を強調した強いコントラストが作者の伝えたいことである場合、両極端なイメージが鮮烈なメッセージとなる。
反対に、なだらかなグラデーションであったり、階調が物事の順序を語っていたりする場合には、中間部の微妙な明暗差・高低差をしっかり残したい。


こうした作者の意図ははっきりと伝わるので、恐らくこの方は前者のメッセージを込めたのだろうな、だとか、柔らかい階調を出したかったのだろうな、といったことが判る。
しかし、拝見する作品にはそれが正反対になっていることが少なくないのである。

これはもっとコントラスト強くていいだろう。という場面なのに「ひたすら眠い」。
あるいは、もっと中間調が欲しいはずなのに「飛んで潰れて」。の二極しかない。


なんとなくカッコイイから、スマホエフェクトの中からモノクロ選択...?
でも、とりあえずはいいけれど...。
「階調」を忘れないようにしたいものだ。


【Monochrome with iPhone】(iPhoneカメラで撮るモノクローム)
https://amcoandem.wordpress.com/2015/09/12/flow-2/
82744143
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