昨日(2018.05.17)の、FM aiai様の番組「宮本章光のビデオをポケットに」では、ホワイトバランスに関するお話しをさせていただきました。
基準の色に合わせてゆく...といった目的以外に、自分の好みの色に意図的に変化させるといった手段にも使えますので、これを表現手法のひとつとして楽しみませんか。といった主旨でした。
お一人、ご質問をいただきましたので、回答済みの内容を含めナレッジデータベース的な事項をこちらに記載しておきます。
-----[ご質問内容]-----
暖かく黄色っぽい色温度は「低い数値(K:ケルビン)」で示され、
寒く青白い色温度は「高い数値(K:ケルビン)」で示すことができる。
といった、色温度に関する事項はご存じである方。
例えとして、
電球などの暖かい色 [2,700〜3,200Kあたり]
日陰の窓際や曇り空の青白い色 [7,000〜7,500kあたり]
で示される色温度を持っている。(実際にはもっと数値の振れ幅はあると思われるが、代表的な条件として。)
だが、自分で意図的に色を変えたい場合、
「暖かい色にしたい」場合は、7,000だとか8,000Kにする。
「寒い色にしたい」場合は、3,000Kあたりにする。
と、私が放送時に話している。
これは反対ではないのか?間違いではないのか?
といったご質問。
はい、これは間違いではありません。
その光源の色温度とは反対の方向に調整しなくては、目的とする色になりません。
●「暖かい色にしたい場合は、7,000だとか8,000Kにする。」
その理由は、7,000だとか8,000Kの光源の示す色は「青白い」のです。
その「青白さ」を打ち消すために、カメラ(写真もビデオも)は「黄色い暖かい」方向へ調整されるわけです。
同じく、
●「寒い色にしたい場合は、3,000Kあたりにする。」
その理由は、3,000K前後の光源の示す色は「黄色く暖かい」のです。
その「黄色く暖かい」色を打ち消すために「青白く寒い」方向へ調整される。といった仕組みを持っているためなのです。
なかなか慣れるまでは難しいかもしれません。
写真のカメラだと、多くの機種で「色温度によるホワイトバランス調整」ができるはずですので、背面モニターに表示させながら(ライブビュー撮影)、数値(K)を変化させてみると差が一目瞭然だと思います。
お仕着せのフィルターを選ぶのではなく、このように自分で考えながら、そして感じながら調整する部分にも楽しみはあります。
[サンプル写真]
shinjuku-eastside-square。
ホワイトバランスを3,000Kの方向へズラすことで、寒く青白い印象に。
HDR撮影したものは、後から大きく触るとあちらこちらにバンディングが出て綻ぶが、それはこの話題とは別なのでここでは不問と。