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宮本章光/陽の視点 -- And EM Official Blog

みやもとあきらのしてん AKIRA MIYAMOTO@And EM

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HDR対応カメラでなくても撮れる味わい

HDR風に画像処理をしてみる photo 宮本章光
自分のスマホは古いモデルだから、最新のAIを活用したHDR風の写真は撮れないんです...。
という声はまだ耳にしていないが、そろそろ出てくる頃かもしれないな、と勝手に妄想の世界に入っている。

HDR処理の原理は、一枚の中に同時に存在できないような大きな明暗差を、複数枚の撮影とガンマカーブ、ニースロープの調整など、さまざまな技術を駆使して一枚の中に共存させるもの。
スマホカメラの場合には、各社それぞれ最新のAI技術が注ぎ込まれている部分でもある。

もちろん最新型と同じとは言えないまでも、近いイメージにHDR風の調整をすることは可能だし、そのために撮影時点から完成画像に思いを巡らせる。
ハイライトは限界を超えるとデータが残らないが、シャドウ近辺は、人間の目に見えている限りは何らかの反射光があると思われるため、暗めに撮っておいて後処理で復活させる。
状況によってはシャドウはノイズフロアに埋もれている場合があり、極端な調整はノイズの増幅が激しく見るに耐えない結果となることもある。

こうした部分を考えながら試行錯誤を重ね、自分らしさを盛り込む。
ここに楽しさと満足感が生まれてくる。

じっくり一枚に向き合い作品を残す

印象的な瓦 photo 宮本章光
以前の記事「明暗差を最大限に:LINK」で書いたような、自然界の風景でありながら、自らスタジオ照明をコントロール・作り込むような疑似体験ができること。
それが、画像処理の面白さのひとつではないかと思う。

この楽しみの沼に足を取られた人がまたお一人。新年挨拶を兼ねてご連絡をいただいた。
ポイントは、自分が伝えたかったことを伝えるための「階調」が表現されている点にあり、その結果を作り出すためのプロセスを楽しめるところにある。

こちらは、私の昨秋10月のアーカイブより。
左下のハイライトと、右下の瓦に見る黒の締まり具合。そして円形部分に反射する陽の光。
撮影時点では、自分自身が「一歩、左右どちらかに移動するだけ」で、見え方は変わってしまう状況。
そして、白と青の対比も印象的だった。

この瞬間の記憶が蘇るとともに、その気持ちを階調のコントロールに落とし込む。
最低でも、写真撮影は二度楽しい。
じっくり一枚に向き合い作品を残す。といった趣味の復活を願う。

写真を使い捨てにした10年からの回帰

迎春準備の寄せ植え photo 宮本章光
光と影があるから印象的な結果が得られる。
だが、
明暗差が大きすぎる場合には、飛び・ツブれる、といったように、データ両端の記録ができないケースが出てくる。
少しでも広い範囲を収めるために、スマホのHDRモード(多重露光と合成)のような仕組みを利用し、狭い範囲に大きな明暗差を同居させる。
そして、ガンマやニースロープの調整による、肉眼で見た「記憶階調・希望階調(造語)」に近づけるべく望ましいと思われる明暗差の分布を創り出す。

来たる新たな年には、自分にしか作り出せない、とっておきの一枚を大切にする潮流が復活してほしいと願う。

明暗差を最大限に

ハイライトとシャドウの対比を意識 photo 宮本章光
明暗差を最大限に広げることで、迫ってくる力や押し出し感を高めることができる。

シャドウを持ち上げることばかりを意識してしまうと「黒浮き」に悩まされる。
ハイライトをどこに持ってくるか、といった部分にも注意を払うことで完成度がグッと高まる。

結局のところ、照明の作り込みやレフで調整をしているのと同じように、自然の中にある被写体にも明暗差のコントロールを施すところに、作品づくりの面白さと楽しさが隠されている。

階調破壊系フィルターで横道に逸れてしまった「失われた10年」。
長い休符は2018年の区切りとともに終わりを迎え、白い五線譜には新たな音符が刻まれることだろう。

AIと趣味の近未来

隅田川水上クルーズ「龍馬」Photo 宮本章光
階調に目覚めた人が次にハマる泥沼。
ハイライト部とシャドウ部とでは色温度が異なるために、暗部が青白く寒い印象となってしまうこと。
一枚の中に大きな明暗差を閉じ込めた、せっかくの力作なのに「色」の部分に納得が行かない...。

肉眼で見た印象に近づける処理、そのプロセス自体に楽しみが存在しているが、最新モデルのスマホカメラなら「何も考えずにシャッタータップ」だけで、これらすべてを最も望ましい結果となるよう処理した上で記録してしまう。

AIの発達は、不自由を楽しむところに新たな趣味を生み出す可能性を秘めているかもしれない。
面白い時代がやってきそうな予感...。

TOKYO CRUISE SHIP「龍馬」を眺める。
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