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宮本陽・宮本章光 AKIRA MIYAMOTO@And EM Official Blog

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肩幅の感覚

photo by AKIRA MIYAMOTO

クルマの運転免許を取得するために初めて運転席に座ると「車幅や前後長」の感覚が、身体一つの感覚とは大きく異る、といった驚きがあった。

昭和の高度成長期に小学生時代を過ごした人間としては、隣家との隙間のブロック塀で衣服を擦りながら走り回り、自分の肩幅の感覚を得てきた。
通り抜けられるかどうかの狭い場所も、肩幅と胸厚の感覚が役に立った。

広角と標準域の2つのレンズを持つと、広角焦点域オンリーのスマホカメラの画角がどれほど広過ぎたか?という点で似たような驚きがあるはずなのだが、この点に言及する声をほとんど見かけない。

なるほど、他人の家の隙間で鬼ごっこをする子がいないこの時代には、肩幅の感覚は無いのかもしれない。

単焦点レンズは安物か?

photo by AKIRA MIYAMOTO

「単焦点レンズ」と聞くと、イコール安物...、と思っている人がいることに驚く。

ここでテーブルに乗せるのは、ズームレンズと単焦点レンズ。
画角を自由に変えることができるズームレンズ全盛時代に、単一の画角・焦点距離しか備えていないレンズは旧式で安物の証。
といった感覚なのだろう。


数十年前、それはズーム機能をもたせながら画質を確保し、且つコンパクトに設計する技術が熟していなかった時代には、画質を求め、開放f値の明るいレンズを手に入れようと思えば単焦点の一択であった。

今や時代は変わり、ズーム機能を備えながら高画質を実現したレンズは数多い。
コンパクトデジカメでさえ、当たり前のようにズーム機能が備わっている。

だが、単焦点の存在価値は、さらに明るい開放f値の実現と、そして今なおズームで実現できない世界の画質の追求、といったところにある。
この観点からすると、単焦点は究極の高画質を望む場合に選択するものであって、決して安物ではない。
実際、入門グレードの一眼レフにセットで付いてくるキットレンズとは比べものにならない画質が手に入る。


眼科医が、具合の悪い眼を「単焦点レンズのように安物の...」などと比喩する時点で、誤った認識が広がっていることを感じる。安物...等の言葉を使う時点で医師のレベルも判ろうか、と。

ズームでは手に入らない絵を求めて単焦点の世界に飛び込んでみるのも新しい楽しみではないだろうか。



広角レンズのダイナミックさを楽しむ

photo by AKIRA MIYAMOTO

コンパクトデジカメは、電源を入れると「最も広角側でスタンバイ」となるモデルが多い。
ある程度画角を狭め望遠側を使いたい場合、ズームレバーやボタンを操作し画角を変えているはずだ。

しかし、ズームレバーを操作するより自分の腕を前に出すだけで寄ることができるため、その最も広角位置のままカメラごと寄ってしまうケースも多いように思う。
その結果、手前側だけが強調された「鼻デカ犬風写真」になる。

この「モノの形状」に対する意識を持ちましょうね。という点が大切なポイントであったわけだが、これを習うと「今度は広角側を使わなくなる」といった弊害を発症する人が出てくる。


広角は、形状の正確さを求めるのではなくそのダイナミックさを表現するために使うもの。
レンズ焦点距離が持つ特性を、撮りたい絵に合わせて操作することが楽しみであり懐の深さであるはず。


何が良い。何が悪い...? 二者択一思考というのだろうか?
用意された設問から一つを選ぶ、といったクイズ形式の番組の影響なのか、自分で白紙から絵を描いてみる、といった思考が退化しているように思えてならない。

寄って撮らない理由

photo by AKIRA MIYAMOTO

「寄って撮る」本当の意味(2009年11月)
http://and-em.com/blog/index.php?no=r2193
この記事では、
本来、寄って撮るという言葉には「メイン被写体以外の余計なものを減らす」という意味があり、主たる被写体が真ん中にぽつんと小さく写ることを避ける意味なのですよ。
といった投稿であった。


寄るためには、
-----撮影者自身がカメラごと寄って行く、
-----あるいは、カメラ位置はそのままでズームで望遠側に寄って行く。
この二つのアクションが考えられるが、スマートフォンカメラやコンパクトデジカメの電源が入った直後には、広角側の焦点域となっている。

広角側で被写体に寄ると何が起きるだろう?
広角側の焦点距離では手前にあるものが大きく強調されるレンズ特性がある。もうお馴染みの「鼻デカ犬風」写真になる。

これは一つの表現方法としては有効であるが、形状を正確に再現するといった部分の感覚を磨くことができない。


他方、過去から「ズームを使うな、自分で前後に動け!」という名言もある。
これは、そのレンズの焦点距離が持つ画角や被写体の前後関係による対比・強調感を体で覚えよ、といった意味がある。
特定焦点域の特性を覚えよう!の言葉であったものを、自分が動いて寄って行く。という一部分だけをトレースして「鼻デカ」写真を量産する...。
これではいつまでも「モノの形状」に対する感覚を覚えられない。


寄って撮らない理由はここにある。
但し、寄らずにズームして望遠側を使う限りブレのリスクが高まることは忘れない。
こうした色々な条件を組み合わせながら、望む結果を導くのが写真の楽しいところである。

50mmレンズを買いに行くと店員さんが...。

Photo by AKIRA MIYAMOTO

50mm単焦点レンズを手に入れ、ボケや被写界深度、モノの形状の再現、距離感...といったものを勉強しようとする方が増えている。
購入に際しては、ショップに出向いて実物に触れるのは良いことだと思う。しかし、以下のようなご質問も並行して増加傾向にある。

「ボディがAPSセンサーなので、50mmが欲しいなら35mmを買ってください。」と店員さんに言われた。
で、結局「50mmと35mmのどちらを買ったらいいの?」というご質問。


これは、APSセンサーサイズのボディに装着すると、焦点距離は1.5倍だとか1.6倍相当になるよ。という店員さんのアドバイスなのだが、APSセンサー機を使う場合に確認しておきたいことは...。

1.[実際に50mmレンズの画角]が欲しい
2.[50mmレンズの持つ特性を体験]したい

自分の場合には、このどちらに相当するのか?を明確にしておきたい。
1.の場合は実際にその画角でなければ収まらない範囲を写す必要がある状況と考えられ、APSセンサーボディを使う限りは35mmを選択するのが正解となる。

しかし2.の場合には「その50mm単焦点レンズの特性」を使いたい。という理由である。
よって、画角は75mmだとか80mm相当になるデメリットはあるものの、大口径解放絞りの極浅被写界深度といった特性は、35mmでは得にくいということになる。

また、35mmは広角系であり寄るほどに手前のモノが強調されるため「鼻デカ犬風」になる傾向は否めず、モノの形状の差を遠近感とともに知る、という体験も困難にしてしまう。

入り口(=目的の明確化)を間違えると、望む結果を得られない。という例である。


---こちらもご参考に(専門家プロファイル2011年記事)---
【単焦点レンズの魅力って何だろう?】
http://profile.ne.jp/w/c-59897/



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